昨季はリーグ戦全試合に先発出場した川辺。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、3月18日に再開予定だったリーグ戦の再延期が発表されました。新たに延期が決まったのは、J1〜J3までの計69試合。現時点では5月9日からの再開を目指し、関係各所で調整が続けられています。

 文句なしのスタートを切ったサンフレッチェからすれば痛い中断期間ですが、目に見えないウイルスとの戦いですし、こればかりは仕方がありません。今は一日も早い収束を願うしかないですし、サポーターの方ももどかしい日々を過ごしていると思いますが、今は我慢のときでしょう。

 もちろん選手自身も辛いでしょうし大変な部分があると思います。ですが、どんなときでも一人ひとりが自覚を持って、きちんと調整するのがプロとしての責務です。集中力を保つのが難しいこともあるでしょうが、ケガに注意しながら、いつ再開しても大丈夫なように調整を続けてほしいですね。

 その意味ではサンフレッチェの選手たちは、中断期間に入っても良い状態をキープしています。実際、トレーニングマッチを見てきましたが、山口戦も岡山戦も完璧とも言えるような内容でした。出場メンバーなどはクラブ側に配慮して詳細は控えますが、どの選手も高いパフォーマンスを見せていました。今後は過去に経験したことがないような過密日程になることは必至ですし、この中断期間をプラスに捉えて選手全体の底上げを図ってほしいです。

 かつてサンフレッチェが優勝した年は2チームあるのではと思うくらい、スタメンとサブの力が拮抗していました。紅白戦のあとに城福監督がどちらを選べば良いのか迷うくらいのパフォーマンスを、控えの選手たちには見せてほしいと思います。

 では改めて横浜FC戦(○2—0)と鹿島戦(○3—0)を振り返ってみましょう。キャンプから練り上げてきたショートカウンターも機能していましたし、攻守の両面で最高のスタートが切れました。全員が持ち味を発揮しましたが、なかでも素晴らしかったのが川辺です。ボールもしっかり奪えますし、青山とのバランスも文句なしです。もうこのチームは「川辺のチーム」と言えるくらいの大きな存在になっています。その上で前線のペレイラ、ドウグラスが、守備に対しても強い意識を持ってくれています。キャンプの段階から城福監督が求め続けていたものが、外国人選手にもしっかりと浸透しているのは非常に心強い部分ですね。