◆背番号「30」をもっとも長く付けたブラジル日系3世

音の移籍で空いた「30」を与えられたのは、ドラフト3位で1995年入団の玉木重雄だ。ブラジル出身の日系3世である玉木は1990年に来日し社会人野球で活躍。カープに入団すると右の中継ぎに起用され、初年度から30試合に登板し3勝を挙げた。

 2001年にはキャリアハイの62試合に出場、9勝3セーブで防御率2.76という成績を残した。2004年限りで楽天に移籍し、1年プレーすると現役を引退。カープで背番号「30」を着けたのは9シーズンで、これは現在までこの番号の最長記録だ。

◆カープで能力が開花。リーグ優勝に貢献した右腕

 その最長記録に迫っているのが、現在の持ち主である一岡竜司。2011年のドラフト会議で3位指名を受けて巨人に入団した一岡は、2013年オフにはプエルトリコへの派遣も経験。同オフにFAで巨人へ移籍した大竹寛の人的補償としてカープに移籍となった。

 プロ3年目、カープ初年の2014年は開幕から一軍入りし、31試合に登板。3月中にプロ初ホールドを記録すると4月には初勝利、5月には初セーブを挙げるなど、多彩な変化球でリリーフとして活躍。その後もコンスタントなプレーを続け、2017年・2018年はともに59試合に出場。

 2017年は6勝19セーブ、2018年は5勝18セーブと活躍したが、2019年以降はやや調子を崩し、今季は二軍での調整が続いているが、ウエスタン・リーグで着実に結果を残し、復活への道を歩んでいる。カープで開花した男は、「30」の歴史を塗り替えることができるか期待したい。

【背番号『30』を背負った主なカープ選手】
石本秀一(監督/1950年-1953年)
白石勝巳(投手/1953年-1957年)
高 信二(内野手/1986年-1990年)
音 重鎮(外野手/1991年-1995年)
一岡竜司(投手/2014年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。