ボストン・レッドソックスの本拠地「フェンウェイ・パーク」(著者撮影)

◆娯楽ではなく、なくてはならないもの

 レッドソックスはチームとしてNPO組織の『レッドソックス・ファウンデーション』を保有しており、ジミーファンドという支援団体を通じた小児がん患者の支援、ディモックセンターという行政と連携した貧困家庭の支援、奨学金プログラムなどを通じた若者の学業支援、ホームベースプログラムという怪我や精神疾患を負った元兵士の支援など、野球とは直接的に関係ない多岐に渡る支援活動を、常日頃から地域の人々に対して行っていました。

 だからこそ、不測の事態にもすぐに球団としてアクションを起こすことができ、さらにそれを原動力にしてワールドチャンピオンという偉業まで達成できたのです。

 レッドソックスの支援の実態を知るにつれ、「ボストンの人たちにとって野球はもはや娯楽の域にとどまらない“なくてはならないもの”なんだ!」と実感しました。

 こんなふうに、日本でも野球によって救われる人が増えたら、野球のことを愛してくれる人が増え、野球というスポーツの発展になるかもしれない。グラウンドの外の価値を向上させることも、野球振興にきっと繋がる。そう思った私は、「野球で、人を救おう」をスローガンにBLFを立ち上げることにしました。