◆開幕戦でプロデビューしたドラフト4位右腕

 1998年から「29」を背負ったのが小林幹英。新潟明訓高から専修大、プリンスホテルでプレーし、ドラフト4位でカープに入団した小林は、開幕戦でプロデビュー。救援としては球団史上初めて新人で開幕戦初勝利を挙げる。以後も抑えで起用されて18セーブを記録し、セ・リーグ会長特別表彰を受けた。

 以後、故障により不調の時期もあったが2001年、2002年は50試合以上に登板。だがその後も故障により思うように活躍はできず、2005年には背番号を「21」に変更。その年限りで現役を引退した。2006年からは背番号を「73」に変え、投手コーチに就任。一軍〜三軍の投手コーチを行き来しつつ投手陣の底上げに尽力し、今季からはまた二軍投手コーチとして腕を振るっている。

 2012年から「29」を使用したのが、西武から移籍してきた江草仁貴だ。広島出身で、専修大で活躍すると2003年に阪神に入団。2011年の西武を経て、翌2012年にカープに移籍。左の中継ぎとして期待されたが、2012年に26試合に登板して以降、トミー・ジョン手術を受けるなど、故障の影響もあり、2017年に現役を引退した。

◆中継ぎで活躍するハワイ生まれの背番号『29』

 その後、2018年から現在まで「29」を背負っているのが、ハワイ生まれのケムナ誠だ。幼少期から宮崎県で過ごし、日南高、日本文理大でプレーすると、2017年にカープにドラフト3巡目で入団。2年目の秋に初めて一軍のマウンドを踏むと1回無失点の好投。昨季は中継ぎで41試合に登板し、プロ初勝利もあげて存在感を示した。今シーズンは前半戦で11試合に登板、後半戦の奮起が期待されている。

 ドラフト会議を経て入団したルーキーが背負うことも少なくない「29」。ケムナもその一人だけに、この背番号の価値をさらに上げるような存在に成長していくことを期待したい。

【背番号『29』を背負った主なカープ選手】
小林誠二(投手/1976年-1980・1984年-1988年)
近藤芳久(投手/1989年-1996年)
小林幹英(投手/1998年-2004年)
江草仁貴(投手/2012年-2017年)
ケムナ誠(投手/2018年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。