東京五輪による中断期間までのリーグ戦を7勝9分6敗で終え、後半戦に挑むサンフレッチェ。川辺駿が海外移籍し、生まれ変わろうとするチームについてOBの吉田安孝氏に話を聞いた。
◆ベテラン青山の活躍が命運を握る
今シーズンはずっと「川辺のチームになった」と言い続けてきました。その川辺が抜けた後半は、青山がキーマンとなると踏んでいます。ベテラン青山がどのようにしてチームをまとめていくかがチームの命運を握っているでしょう。
もう一人注目するのは、右サイドの藤井。彼の良さは最後の90分、一番キツイときでもスプリントをかけられるタフさ。しかもスピードが落ちない。これは本当にすごいことで、武器として存分に活かしてもらいたいですね。
今年の藤井は、ボールの受け方が特に良くなっています。あとはクロスを上げるタイミングだと思うので、中にいる選手と日頃からコミュニケーションを取り、どのタイミングでボールが欲しいかをもっと突き詰めていければ、クロスもさらに良くなると思います。これも、3バックに戻り、ウィングバックの良さが生きているからこそ。城福監督がよく「サイドでフットボールしよう」と言っていますが、まさにこの言葉通りで、サイドが生きれば中も生きてくると思います。
そうすると、自然とFWのサントスも活きてきます。彼は自分なりに考えて、よりチームにフィットするように変わろうとしています。以前より守備の意識が高まっていますし、これまでだとハイボールに負けてしまう場面が目立つこともありましたが、なんとかマイボールにして、自らターゲットマンになるプレーを懸命にやっています。本来なら、サイドに出て突破していくようなプレーがしたいのでしょうが、今のシステムはワントップ。前にドンと構えて、ポストプレーも頑張っていると思います。