巡ってきたチャンスをつかみとり、一軍のサードのポジションを奪いつつある林晃汰。一軍でコンスタントに成績を残し、覚醒の時を迎えつつある左のスラッガーの決意を届ける。

ガムシャラなプレーが信条の林晃汰選手。

◆『積極的に強く振っていく』林の原点となる攻めの姿勢

─一軍投手との対戦を通して、昨年に比べて良くなった、改善できたと感じていることはありますか?

「昨年は速い真っ直ぐに反応できずに三振することが多かったのですが、今年はインコースを含めて、しっかりと自分のポイントで捉えることができています。少しずつではありますが、その課題は克服できているのかなと思います」

─林選手の三振数を見ていくと、見逃し三振がわずか2つしかありません。振っていく意識を強く感じます。

「そうですね。自分の中で打席に立つ以上、積極的にバットを振っていくことは常に心がけています。ただ、低めのボール球などを振ってしまうケースもあるので、際どい球の見極めに関してはもっと成長していかないといけません」

─左投手も苦にしておらず、対戦打率.360という数字が残っています。

「体を開き過ぎないようにしっかりとスイングするなど、相手が左投手であっても難しく考えず、シンプルに考えて打席に立つことができているのが、結果につながっているのかもしれません」

─小園海斗選手をはじめ、同年代の選手が今季は一軍で活躍しています。林選手自身、同学年の4選手からどんな刺激を受けていますか?

「自分が二軍にいる間に、ずっと一軍で活躍していた選手もいるので、良きライバルとして絶対に負けたくない気持ちです。二軍でプレーしていたときも、その気持ちを忘れずに過ごしてきたので、これからも気持ちに変わりはありません」

─二軍のエピソードでいくと、宇草孔基選手と上がったお立ち台(6月15日の西武戦(マツダスタジアム))は心が温まるインタビューでした。一軍の舞台でエールを送り合う二人の姿が印象的でした。

「春先、全然打てなくて、三軍で居残りの打撃練習をしていたときがあるのですが、その頃、宇草さんもそこにいて、よく一緒に練習していました。二人で話をする時間も多くて、『お互い早く一軍に上がろう』と声をかけ合っていました。そのときの感情があのお立ち台で出てしまいましたね(笑)」

─一軍昇格以降、日に日に存在感が高まっていますが、一軍ではどんなことを意識してプレーされていますか?

「まだまだアピールしていく立場なので、自分のできることを全力で出し切って、その中で結果も出していきたいですね」

─林選手は試合が終わると、ユニホームが真っ黒になっている印象があります。ガムシャラに試合に臨んでいく姿勢は林選手の魅力の一つのように感じます。

「上手くないからこそ、打撃でも走塁でも守備でも全力でやっていかないといけないと思っています。逆に全てに全力で取り組んでいるからこそ、結果につながっている部分があるのかもしれません」

─今シーズンもまだまだ続きますが、目標にしている数字はありますか?

「意識しているのは得点圏での勝負強さです。走者がいる状態でしっかりと打てる打者になりたいです。そういう意味では打点をもっと増やしていきたいですね」

─鈴木誠也選手が欠場した関係で、6月に4試合ほど4番に座りました。この4試合、結果は芳しくなかったのですが、やはり重圧はありましたか?

「重圧は感じてなかったです。ただ、結果が出なかったということは、無意識のうちに4番という存在を意識してしまっていたのかもしれません。どんな場面でも、自分のやるべきことをやれる選手に成長していかないといけません」

─林選手には未来の4番打者としての期待も大きいです。最後に後半戦に向けての意気込みをお願いします。

「まだまだ下手くそな選手ですが、どんな場面でも全力プレーを心がけ、チームに貢献できるように取り組んでいきます。一つでも多くの勝利をファンのみなさんに届けられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」