カープOBの笘篠賢治がカープ野手陣を徹底分析するコラム。今回は、今季の飛躍が目立つ若手選手、10月11日のドラフト会議について取り上げる。※取材日は9月中旬。
◆伸び盛りの選手たちは多少の好不調は気にせずに
4番・鈴木誠也、5番・坂倉将吾が固定できているので、課題は1、2番です。9月から、これまで3番を打つことが多かった小園海斗を2番に起用しています。たとえ安打が出なくても、送りバントやエンドランなどの役割を覚えていくことで小園の可能性は広がっていくはずです。多少の不調は全然気にしなくていいと思いますね。
若手でいうと林晃汰もそうです。エキシビションで一度調子を落とした後、ここ数試合は安打が出ていますが、彼の場合はおおらかに育てるべきです。使い続けるのであれば、後ろの打順でプレッシャーをあまりかけないところで、打たせたほうがいいと思います。東出輝裕二軍打撃コーチにしても新井貴浩さんにしても、若手の頃は、レギュラーを取っていく過程のなかで、そこを通ってきたわけですから。
首脳陣としては将来性を考慮しての起用でもあると思うので、本人たちはもっと気楽に考えてプレーすればいいと思います。実質1年目のようなものですからね。来年、再来年になってきたら、少しずつ今とは違う期待感になっていくはずですから、今はもがいてもいい時期だと思います。
そして、10月11日にはドラフト会議があります。外国人投手が機能しない限り、日本人投手が頑張らないといけません。そういう意味では投手の補強はマストとして、補強すべき野手でいうと、右打ちで守備力が高い俊足選手でしょうね。
今年は外国人野手が機能しなかったのもありますが、現況を見ると長打が打てる若手の右打者が正隨優弥くらいです。そこは一つの課題です。左打ちの野手は大盛穂や羽月隆太郎、宇草孔基らが揃っているだけに、右打ちの野手も競争させるようなメンバーにしたいですよね。
カープの目利きは良いですし、若手を伸ばしていく高い指導力もありますし、似通った選手が重ならないようにもしています。そういう部分を考えて補強を進めていけば、よりバランスの取れたチームづくりをしていけると思います。