◆最終回のマウンドに挑む姿勢は五輪でもカープでも変わらない

─日本代表・建山義紀投手コーチの影響も大きかったのではないですか?

「建山コーチは選手にプレッシャーを与えないように、いろんな選手と話をしてチームを和ませてくれていました。いつも笑顔で話をしてくださっていたので、緊張も和らぎましたし、投手陣のチームワークもすごく良かったと思います。試合前には、起用方法などについて会話をしてくださり、投手が準備しやすい環境をつくってくださいました。また、僕は5試合全てに投げさせてもらったのですが、常に体の状態を考慮して話をしてくださりました。建山さんのおかげで、練習もやりやすかったですし、マウンドにも良い状態で上がることができました」

─持ち球であるフォークが世界でも十分に通用することを証明しました。

「フォークは低めに投げるというよりは、強く落とす意識で投げているので、結果的にストライクゾーンに落ちてもいいと思ってます。その意識は、五輪でもカープでも全く変わっていません」

─東京五輪ではシーズン中とは違う球を使いました。フォークの握りや投げ方に影響はなかったのでしょうか?

「合宿初日のキャッチボールの段階で、スライダーやカット系の球は、いつもより大きく曲がるなとは感じました。ただ、フォークに関しては違和感なく、普段通り投げることができました」

─マウンドに上がる時の気持ちは、カープでクローザーとして投げている時と比べて変化はありましたか?

「カープでも自分がしっかりと無失点で切り抜ければチームに勝ちがつく場面で投げさせてもらっていたので、日本代表でもカープの時と同じ気持ちで9回のマウンドに上がっていました」

◆プロフィール
栗林良吏 20
■くりばやし・りょうじ ■1996年7月9日生(25歳)■178cm/83kg   
■右投右打/投手 ■愛知県出身 ■愛知黎明高-名城大-トヨタ自動車-広島(2020年ドラフト1位)