秋季中国地区高校野球大会・決勝が行われ、7対0で広陵が広島商業に勝利し、2018年以来3年ぶりとなる中国大会優勝を果たした。

 1991年以来30年ぶりとなる広島県勢同士の対戦となった試合は、初回から広陵が優勢に進めていった。

3年ぶりの優勝を決めた広陵ナイン

 初回、1死一塁の場面で広陵の3番・内海優太がセンターバックスクリーンへ豪快な一発を放って広陵が2点を先取。3回には1死二、三塁の場面で1年生の4番・真鍋慧がタイムリーを放ちさらに2点を追加した。さらに5回には無死二、三塁から2本のタイムリーなどで3点を奪うなど広島商業の投手陣を打ち込み、広陵が誇る3、4番の活躍が目立つ形となった。

 また広陵先発の森山陽一朗は、ランナーを背負いながらも粘りの投球を見せた。序盤は4安打を許しながらも、要所を締めて無失点で5回まで乗り切った。中盤6回以降も丁寧な投球で広島商業打線を寄せ付けなかった。最終回、足をつるアクシデントがあり降板となったが、二番手の岡山勇斗が危なげなく締めて、優勝を決めた。

 広島商業は初回に1死二、三塁と先制の機会をつくったものの得点を奪えず、その後も広陵・森山の前に打線は沈黙した。先発の浴口光介が6失点を喫し、試合のリズムをつかむことができず。1993年以来となる中国大会制覇とはならなかった。

 見事に3年ぶりの優勝を果たした広陵・中井哲之監督は「広島商業さんとはライバル校なので、絶対に負けられないと思っていた。本当に嬉しいです。(打線について)打つべきところで打って、チームで頑張った」と試合を振り返った。今後は神宮大会、そして春のセンバツへ向けたチームづくりとなるが「チームの中で競争してほしい。たくさんの部員がいるので、もう一度スタートラインに立ち、頑張っていきたい」と意気込みを口にした。

 一方敗れた広島商業の荒谷忠勝監督は「相手ピッチャーのレベルが高くそこに対応できなかった。(打線の作戦について)積極的に打っていこうとしたところは評価できるが、個々のレベルを上げていかないといけない」と振り返った。

 広島勢の決勝、そして広陵の優勝で終えた中国大会。広陵は3年ぶり、広島商は20年ぶりの春センバツ甲子園出場が濃厚となった。