大きな期待と共に2018年、ドラフト2位でカープに入団。1年目からリリーフとして登板を重ね経験を積むと、今季ブレイク。試合を重ねるごとに調子をあげ、後半戦は勝ち継投を担うことも増えた。一番の武器となるストレートで真っ向勝負していく姿は観る者を魅了する。プロ生活3年間の軌跡を島内の言葉で振り返っていく。(全3回のうち1回目・取材は10月上旬)

今季、リリーフとして51試合に登板した島内颯太郎投手。

◆技術的な部分の成長もありますが一番変わったと思うのは…

─9月は13試合に登板し防御率0.82。素晴らしい成績が残っています。

「自分の投球をしようと1試合1試合投げてきた結果だと思っているので成績に関して、特別な意識はありません」

─今季、開幕一軍入りを果たすもシーズン中に二度、二軍を経験されました。降格した際は、どんな課題を持って調整を続けてこられたのでしょうか?

「4月に降格した際は、打者ではなく自分との勝負になっているところがありました。二軍の投手コーチからもその部分を指摘されたので、二軍の実戦では、打者によって配球を考えたり、ゾーンの中に球を集める攻めの投球を心がけるなど、打者と勝負することを意識して調整を続けました。また、投球分析システムを使い、良い状態の時とのズレなどを見直しました。7月にも二軍に行きましたが、この時は打者と勝負した中で期待される結果を残せなかっただけなので、自分の中でそこまで悪いイメージはありませんでした。春先に二軍で培ったスタイルを崩さずにやってきたことが、9月以降の成績に出てきたのかなと思います」

─その中で、今シーズン手応えを感じた登板はありますか?

「7月9日のヤクルト戦(神宮)での登板です。1点リードの8回に投げ、相手のクリーンアップを三者凡退に抑えることができました。気持ち的に乗っていけたという面で印象深く残っています」

─今年でプロ3年目。入団以降、どんなところが成長したと思われますか?

「技術的な部分での成長もありますが、一番変わったと思うのはマウンドでの気持ちのつくり方です。1年目は、チャンスをもらっているので抑えないといけないという思いが先行して、試合に入り込めていないことがありました。まだまだな面はありますが、登板を重ねるうちに、目の前の打者をどう抑えるかに意識を集中することができるようになりました」

●島内颯太郎(しまうち そうたろう)
1996年10月14日生(25歳)/福岡県出身/180cm・78kg /右投右打/投手/福岡・光陵高-九州共立大-広島(2018年ドラフト2位)
【2021年成績】51試合 0勝2敗15ホールド 防御率3.12 49回 51奪三振