◆新たな主役は誰だ!?若鯉たちの決意表明

 2人の即戦力左腕、社会人を代表する右の長距離砲、将来有望な高卒スラッガーなど、全11選手が、4年ぶりの優勝に向け、生まれ変わりつつあるカープに加わった。昨年末に開催された新入団会見前に行った独占取材をもとに、プロの舞台に飛び込む11選手の熱き思いを届ける。

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【新入団選手連続インタビュー#7】
ドラフト4位・田村俊介(愛工大名電高)

ドラフト4位でカープに入団した田村俊介選手。

 高校生でありながら、プロでも上位のスイングスピードを誇る左のスラッガー。高校通算32本塁打を放ち、逆方向にも強い打球を飛ばす打撃が魅力だ。また、田村俊介は、名門・愛工大名電高でエースとしても実戦経験を積んできた。「投手にはこだわらない。任された場所で全てを出し切る」。そう語る左利きの『二刀流』。カープでは外野手としてスタートを切ることが濃厚だが、投手の潜在能力も高い。常識を覆す田村の挑戦が始まる。

─中学から親元を離れ寮生活をされています。中学・高校と一人暮らしを経験したことで、学んだことや得たものはありましたか?

「野球だけでなく、掃除や洗濯なども全て自分でやらなければいけないので大変でした。それだけに寮生活を通して、親のありがたさを感じることができました。野球を始めた時から目標はプロ入りで、そのために野球に打ち込んできたので、カープに選んでいただき、うれしさとほっとした気持ちで一杯です」

─愛工大名電高にはイチロー(元マリナーズなど)さんをはじめ、数々の名選手を指導された倉野光生監督がおられます。

「監督には常日頃から、『3年生で引退ではない。次のステージでも即戦力で活躍できるように』と言われてきました。なので、カープでも即戦力としてプレーできるよう、指名後もしっかりと練習を続けてきました」

─担当の松本スカウトは「バットコントロールが良く、西川龍馬二世になれる存在」だとコメントされていました。

「打席ではコース・場面に応じた打撃を意識していますし、アウトコース、インコースを広角に打ち分けるのは得意にしている部分です。また、そういった打撃を実践できるようにスイングスピードを磨いてきました。それだけにスイングの早さにも自信があります」

─目標にしている打者はいますか?

「小さい頃から筒香(嘉智・パイレーツ)選手のようなバッターになりたいと思ってきました。筒香選手は内角は豪快に引っ張り、外角は逆方向に長打を放つ打者なので、ずっと筒香選手をイメージして練習してきました」

─高校通算で32本塁打。印象に残っている本塁打を教えてください。

「一つは昨年の初打席で、同学年の中京大中京高の畔柳(亨丞・日本ハムドラフト5位)投手から右中間にライナーで放った本塁打です。もう一つは昨年最後の打席となった夏の甲子園での本塁打です。最初と最後が本塁打だったという点で印象に残っています」

─投手としても結果を残しています。二刀流で挑戦したい思いもあったのでは?

「中学校までは野手がメインで高校から本格的に投手を始めました。一年生の夏に、奥川(恭伸・ヤクルト)投手と対戦し、投げ勝ったことで自信が生まれ、その自信が日々の練習につながっていきました。球団から、投手・野手のどちらをやれと言われてもできるように準備だけしておこうと思っています」

─ファンのみなさんも可能性を秘めた田村選手の活躍を楽しみに待っています。

「カープは熱いファンの方々が多く、ファンと選手が一体となって戦っているイメージがあります。そんなファンの方々を魅了する全力プレーをしていきたいと思っています」

■田村俊介(たむら・しゅんすけ )#60 ■2003年8月25日生(18歳)
■178cm/90kg    ■左投左打/外野手 ■京都府出身    ■愛工大名電高