甲府で42試合中41試合に出場。私生活では第一子が誕生し、父になった。「これが広島での最後のチャンスだと思うと、逆に吹っ切れた」この言葉に、これまでより逞しくなった野津田の成長がにじみ出ている。正ボランチの座を狙う、覚悟と挑戦のシーズンが始まる。(全4回のうち2回目・取材は2月上旬)

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2021年、甲府でシーズン序盤からスタメンに定着し、ボランチとして活躍した野津田岳人。J2の舞台で培った経験を糧に、生まれ育った広島で、自身の持ち味を存分に発揮したい。

◆ボールに絡み続けるプレーが自分の強み

―スキッベ新監督の来日はまだ決まっていませんが、練習では指揮官とどうコミュニケーションをとっていますか?

「最初、年齢の近い選手を5人ぐらい集めてグループミーティングが行われました。ここで初めてスキッべ監督の話を聞きましたが、戦術などの具体的な話はそこまで多くはありませんでした。正直、まだ分からない部分が多いですが、自分たちから攻撃を仕掛けていくアグレッシブなサッカーをしていくと言われていたのはよく覚えています。自分がしたいのも攻撃的なサッカーなので楽しみです」

―スキッべ新監督の印象は?

「包容力があって優しくて、頼りがいのある人という印象を受けました。また、明るくて笑顔なのも印象的でした。ピッチでは厳しい方なのかもしれませんが、まだ指導を受けていないので、今は優しそうな印象しかありません」

―熊本、宮崎でのトレーニングキャンプを終えると、いよいよ2022年シーズンが始まります。ご自身のコンディションはいかがですか?

「一次キャンプでは体づくりをメインに行ってきました。ミニゲームや紅白戦、練習試合などの実戦も行う中で、コンディションやボールを使う感覚が徐々に上がってきたと感じています。かなり良い状態に仕上がってきた手応えはあります」

―昨季、甲府では42試合中41試合に出場し、ボランチのポジションで活躍されました。同様に、広島でもボランチでのプレーが期待されています。

「キャンプではボランチをさせてもらっていますが、すごく楽しいですね。甲府には、全試合出場するという気持ちで加入し、たくさんの試合に出場することができました。これまでのキャリアの中で一番多く試合に出場したシーズンだったので、やり甲斐も大きかったし充実していました。1年間フルでボランチを務めたからこそ、自分のプレースタイルや課題と向き合え、成長を感じることができたのは大きな収穫でした。この経験を糧に、広島で結果を残したいと思っています」

―ボランチには青山選手や塩谷選手など、Jリーグでもトップクラスの経験豊富な選手がそろっています。広島でレギュラーを勝ち取るために必要なことはどんなことだと考えていますか?

「自分の持ち味を出して、チームに還元することが一番大事だと思っています。それに加えて、ゲームをコントロールする力や、攻守にわたってボールに関わり続けることを意識してプレーしていきたいです」

―広島ではどんなプレーを心がけていこうと考えていますか?

「自分の良さは〝ボールに絡み続ける〟ことで発揮できると思っています。そういったプレーの中で、チャンスがあればシュートを狙ったり、攻撃の起点になるパスを出していければと思います。このあたりは自分の強みだと思っているので、どんどん発揮していきたいと思います」(続く)

《プロフィール》
野津田岳人
1994年6月6日生 広島県出身/MF
●2021年成績
ヴァンフォーレ甲府/41試合・2得点 ※記録はリーグ戦のみ。