5月24日から始まった交流戦。カープは8試合を戦い、2勝5敗と苦戦を強いられている。交流戦の勝敗は、ペナントレースの行方を左右するカギとなるといっても過言ではない。ここでは、カープの過去の交流戦の歴史を振り返っていく。今回は、球団史上最高順位を記録した2017年から、4度目の最下位に沈んだ2019年までの3年間を紹介する。

2017年、交流戦の開幕戦では球団史上初となる完封勝ちを達成した薮田和樹

◆2017年・交流戦2位(18試合12勝6敗)

 2017年の交流戦は、初戦から最高の入りを見せた。強力打線で知られる西武を相手に、薮田和樹が交流戦の開幕戦では球団史上初となる完封勝ちを記録。この一戦をキッカケに、先発ローテーションの一角に定着した。

 翌日も鈴木誠也が球団通算8000号のメモリアルアーチを放ち、チームは7連勝を達成。6月14日にはオリックス戦で前年の再現となるサヨナラ本塁打を放ち、交流戦単独首位に躍り出ると同時に、2年連続での交流戦勝ち越しを決めた。

 ロッテ戦では代打のバティスタが連日の号砲を放ち、分厚い打線をさらに強固なものにした。日本ハム戦は昨年の日本シリーズの借りを返すように、3連勝でリベンジを達成。6月18日のソフトバンク戦で惜敗し交流戦初優勝は叶わなかったが、球団史上最高順位となる2位で交流戦を終えた。

◆2018年・交流戦10位(18試合7勝11敗)

 開幕ダッシュに成功したカープだが、2018年の交流戦は少し勝手が違った。レギュラーシーズンの勢いを持ち込むことができず、西武戦、ロッテ戦で連続の負け越し。2年連続で貯金をつくっていた交流戦だが、この年はパ・リーグの強力打線に苦しむこととなった。

 5月31日には先発の薮田和樹が10失点を喫し、翌日に二軍降格。6月8日からの楽天戦を3連勝で乗り切り息を吹き返したかに見えたが、お得意様にしていたオリックス戦から5連敗を喫するなど交流戦期間中に調子を取り戻すことはできなかった。

 終わってみれば7勝11敗の10位で、緒方監督がチームを率いてからは交流戦で初の負け越しに。4月中旬から一度もセ・リーグ首位の座を譲ることがなかったが、パ・リーグとの戦いに関しては最後まで課題を解消することができなかった。

◆2019年・交流戦12位(18試合5勝12敗1分)

 球団新記録となる月間(5月)20勝で貯金を荒稼ぎしたカープの勢いも、鬼門の前には無力化を余儀なくされた。初戦で西武にサヨナラ負けを喫すると、好調を維持していた打撃陣が一斉に沈黙。貯金は一日ごとに目減りし、6月18日にはセ・リーグ首位の座から陥落した。

 西武戦以降もカード初戦は全敗。楽天戦で九里亜蓮が自身初の完封勝利を飾り全カード負け越しは免れたが、交流戦で喫した借金7がリーグ再開後も響く形となった。

 最終的に記録したチーム打率(.216)、出塁率(.288)は12球団ワーストの数値。田中広輔の連続フルイニング出場記録ストップなど、打線崩壊がチームの勢いを止める最大の要因となり、結果、5年ぶり4度目の交流戦単独最下位となった。