カープOBであり、現在はクリケット日本代表選手として活躍する木村昇吾氏が、今季のカープの戦いぶりを独自の視点で分析。前回のコラムに引き続き、今回も秋山翔吾について語ってもらった。

新天地にカープを選んだ秋山翔吾(写真右)

◆加入時には覚えないといけないことが多い

皆さんこんにちは!昇吾です!

秋山翔吾選手がカープに移籍し、
その一挙手一投足に注目が集まる中、
2軍戦でヒットを量産!
首脳陣も納得の内容で一軍に昇格すると
一軍デビュー戦では2安打と早速実力を発揮し、
流石の存在感!

外野の守備でも好返球でホームでタッチアウトにするなど、守備でも高い能力を見せてくれています!

そこからホームデビュー戦のDeNA戦までヒットが出ていないのですが、
その結果や内容よりも僕が一番気になるのは人間関係…

チームの移籍にあたり、シーズン中の移籍と
シーズン終了後またはシーズン前の移籍があり、
今回の秋山選手の移籍はシーズン中…

コレはシーズン終了後や前より実は大変!

それは、チームの関係者の顔や名前、性格、役職等、覚えないといけない事が山ほど…

シーズン終了後や前なら、合同自主トレやキャンプで長い時間をかけて顔と名前を一致させていき、
自分より年上か年下、出身地や出身校など様々な情報をインプットしやすい!

何せ選手だけで60人程いますし、監督をはじめコーチ陣に、バッティングピッチャーやプルペンキャッチャー、
トレーナーの方々に他チームを分析するスコアラーさん達、編成のスカウトの方やチーム運営に携わる職員さん、
グッズ販売や食堂のスタッフの皆さんに至るまで物凄い数の初めましてを繰り返す事になります。

なので、3、4人ご挨拶をすると
正直なところ、1人目の方の情報はほぼ残っていませんw

人間の脳は一度見た物は覚えているらしいのですが、それを膨大な量の記憶の中から引き出すのが難しい…
だから、何度かそれに触れれば定着して引き出すのが楽になると言うメカニズム。

チームと言う大所帯で戦って行く上で、
実力を出す事が一番なのですが、実力を出す為には自分を出さないといけないですし、
それには人間関係が非常に大事!

僕自身、カープに移籍した時は同級生が多く、
鞘師や井生ちゃんが合同自主トレやキャンプから裏方さんやチーム関係者の事を教えてくれて、
チームに溶け込み易くしてくれたのは凄く有難く、
そのお陰でシーズンに入っても、その部分のストレスを感じないくらい野球に集中出来たと思います。

それはライオンズに移籍した時も同じで、
中村剛也や栗山巧らとはベイスターズ時代の2軍戦から良く顔を合わせてたのもあり、
彼等は3つ程年下ですが上手くイジってくれたりして助けられましたね〜w

今回の秋山選手はシーズン中の移籍なので、
そう言う時間が少ない!
仕方のない事ではあるのですが、そこに対するストレスはシーズン前の移籍よりは大きいはず…

皆さんは、しっかり野球をやるだけなのでは?と思われるかも知れませんが、
選手も人間なので100%野球に集中出来る環境では無いと弱いです。
心技体の部分の心の部分が充実していなければ、
技も活きませんし、ましてやプロの一流の戦いにおいて、
全てが良いバランスで整っていないと相手を上回る事は出来ず弱い部分は付け入る隙になるので、
相手はそこを見逃してはくれません!

キクやアツがその辺のサポートをしてくれていると思いますので、
真面目な性格でちゃんとしたいと言う思いが強すぎて空回りしそうな翔吾を助けてくれて、
彼の良さがどんどん出ればチームとしても好転していくはず!

一日でも早くチームに溶け込み、彼が本来の力を発揮して躍動している姿を皆さんと同様に僕も見たい!

がんばれ翔吾!

ほな、また!

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◆ライター 
木村昇吾(きむら しょうご)
1980年4月16日、大阪府生まれ。尽誠学園高で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなど活躍。2002年ドラフト11位で横浜に入団。2007年オフに広島にトレードで加入すると、一軍に欠かせないユーティリティープレイヤーとして活躍した。2015年オフに西武にテスト生で入団。2017年にクリケットに転身すると、2018年にはクリケット男子日本代表強化選手団に選出された。クリケット界の世界最高峰であるインディアン・プレミアリーグ(IPL)での活躍を目指し、現在も競技を続けている。

公式HP→http://shogokimura.net/
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