◆ベテランと若手選手が絶妙に融合

─ 森﨑和幸選手は開幕戦ではトップ下で出場しましたが、彼の力が一番発揮できるのはトップ下とお考えですか。
「いや、それもたぶん試合によってどんどん変わると思います。ただ要求する事は一緒なんです。ボランチにいてもゴールに絡む選手になってもらいたい。先程殻を破る、という話をしましたが、今は彼にも『ボランチにいたから今日はディフェンスを一生懸命やった』という選手ならばチームには要らない、というくらいの気持ちを持たせています。今はまだ攻守においてできる範囲が狭い中にとどまっています。もっとできる選手ですから。もっとやらないとダメです。今以上にボールを奪って、今以上にバランスをとりながらシュートにも絡めるようなプレーに改造しているところです。彼自身も前向きにチャレンジしています。私も彼がどこまで見せてくれるのか、期待しています」

─ 新加入選手、ルーキーの選手はどうですか。
「新人は最初は大変だと思います。プロのプレッシャーの中、スピードも違いますからね。けれどもその中で一生懸命トライしてくれています。キャンプでは田村(祐基)が少し試合に絡みながらやっていましたが、きっと彼もまた壁に当たるでしょう。その時には吉弘(充志)や青山(敏弘)も抜き返す時がくるでしょうから。そうやってチームに競争が加わればいいですね。移籍組の選手はベテランが多いですが、チームをとても良い方向にもっていってくれています。トレーニングに関しても前向きで、キャンプでは相当追い込んでやりましたが弱音も吐かず、一生懸命元気よく声を出しながらやってくれました。あの姿は若手にとっても非常に良い刺激になったと思います」

─ その中で生え抜きの選手、下田選手や服部公太選手もいて、バランス的にも良いチームになっていますね。
「そうですね。新人とベテラン組の話が出ましたが、それでは実際にチームを引っ張っているのはどこかと言うと、やはり下田や公太です。ベン(大木勉)も途中でケガをしてしまいましたが、そこまでは素晴らしかった。ベンにしても下田にしても、そんな表向きに声を出していくタイプではないのですが、俺達がやるんだ、というオーラを出していますね。このあたりの年代は本当にチームを引っ張ってくれています。本当に、チームはいい方向に向かっていると思います」

─ それでは最後に、サポーターの皆さんに一年間の抱負とメッセージをお願いします。
「昨年一年、本当に苦しいシーズンでしたが皆さんと一緒に戦う事ができました。それが1年でJ1に復帰できた大きな原動力だったと思っています。監督になった当初掲げた、3年でJ1の優勝を争えるチームにする、その『第2章』が今年です。目標はあくまでもそこにおいて、そのために必要な事を全てこの年にやっていかなければいけません。その覚悟でやっています。応援に値するような試合をみんなでやっていきますので、また一緒に戦って頂きたいと思っています」