カープOBであり、現在はクリケット日本代表選手として活躍する木村昇吾氏の連載コラム。今回は、歴代2位タイの55本塁打を記録した村上宗隆(ヤクルト)の活躍で注目を浴びる「ホームラン」の魅力について語ってもらった。

2008年から、4番としてカープ打線を支えた栗原健太

◆最初に度肝を抜かれたのは横浜・助っ人大砲のアーチ

皆さんこんにちは!昇吾です!

遂にヤクルトスワローズの村上宗隆選手が
王貞治さんに並ぶシーズン55号ホームランを!

彼の日々の動向は大谷翔平選手の活躍と同様に、毎日見るのが楽しみで、
三冠王もかなりの確率で達成すると思われるその一挙手一投足を、
期待と願いにも似た感覚で見入ってます!

今年の神宮球場でのヤクルト対ソフトバンクのオープン戦を現地で観戦したのですが、
村上選手がヒットを打った後に、一塁ベース上で首を傾げて納得いってない表情をしていました。

投じられたボールを打った感覚が、自分が思い描いてる打球の質や方向等と違ったんだろうなと感じましたし、
まだオープン戦の時期なのでその辺の試合での感覚や身体が仕上がって来ていないのかなと…。

とは言え、綺麗なヒットを打ってベース上で首を傾げる選手はそう多くは無いので、
全くブレないで安打を放ったにも関わらず、強い向上心を持ち現状に満足していないであろうその姿から、
昨年の成績を上回るだろうなと思って彼を眺めていましたが、正直なところここまでとはw

心技体全てが充実し、それのバランスがとても良く見えますよね!
どれだけ良いモノを持っていても、集中出来てなかったり、ケガをしてしまったりすれば発揮する事は無いですし、
これだけ多くのホームランを放つことはできないです。

遠くに飛ばせる能力は非常に魅力的で
ホームランはやっぱり華がありますよね〜。

プロに入って、数々のホームランアーチストを見てきましたが、
まず最初に度肝を抜かれたのが横浜時代の同僚でもあるT・ウッズ!

試合前のバッティング練習から横浜スタジアムの場外にポンポン放り込むので、
係の人が外の人に注意を促してましたw

バックスクリーンにもバンバン当てていて、しまいにはバックスクリーンも超えて…w

もう笑うしかない状態w
ちょうど相手チームもグラウンドでウォーミングアップを始める時間帯なのですが、
その弾道を口を開けて眺めていましたねw

結局ウッズは2年連続のホームラン王に!

同期入団の村田修一選手も綺麗な放物線を描くアーチストで、大学時代に対戦した相手捕手が
『見逃したと思ったら、バックスクリーンに放り込まれてたわぁw』と言うくらいスイングスピードが速く、
手元までボールを呼び込んで逆方向にもホームランを打ってましたね。

この前、修とは解説のお仕事でマツダスタジアムに行った際にグラウンドで少し話をしましたが、
元気そうでしたし、優しい修がさらに優しい顔になってましたねw

カープに移籍してからは栗原健太選手のホームランは好きでしたね〜。
彼はああ見えて細かい技術的な話が好きで良く話してましたw
下半身の使い方はもちろんなのですが、特に打ちに行く時の右肘の使い方、
バットのヘッドの使い方を遠征先の宿舎の部屋で、『もっとこうしたい、あの選手はこう使ってる』とか…。

後に右肘を手術する事になって、その右肘の使い方が満足いくモノにならないもどかしさは、
相当なものだったと思います…。

プロの世界で誰もが打ちたいホームラン!
誰もが打てる訳では無いホームラン!

そんな、味方も相手チームも見ているファンの皆さんも、
球場全体を一振りで魅力し虜にするホームランを、これからも観たいですね!

ちなみに僕のホームランはプロ通算3本!

ほな、また!

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◆ライター 
木村昇吾(きむら しょうご)
1980年4月16日、大阪府生まれ。尽誠学園高で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなど活躍。2002年ドラフト11位で横浜に入団。2007年オフに広島にトレードで加入すると、一軍に欠かせないユーティリティープレイヤーとして活躍した。2015年オフに西武にテスト生で入団。2017年にクリケットに転身すると、2018年にはクリケット男子日本代表強化選手団に選出された。クリケット界の世界最高峰であるインディアン・プレミアリーグ(IPL)での活躍を目指し、現在も競技を続けている。

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