10月20日に行われた『2022年 プロ野球ドラフト会議』。カープは事前の宣言通り、斉藤優汰(苫小牧中央)を1位で指名した。ドラフト会議は、各球団の獲得戦略や、話題の選手の動向に注目が集まる、まさに “運命の1日” だ。

 本企画では、カープの過去のドラフトを紹介する。ここでは、2012-2013年のドラフトを振り返っていく。

 ※ドラフト順位表内の選手名表記は指名発表時点のもの。

◆2012年 順位4位(61勝71敗12分)/野村謙二郎監督

カープの4番として、3連覇の主軸を担った鈴木誠也。現在はMLB・カブスでプレーしている。

 大谷翔平(花巻東高、現・エンゼルス)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭高、現・阪神)ら超高校級選手が名を連ねた2012年ドラフト会議。1位指名で投手・森 雄大(東福岡高、現・楽天)、外れ1位で投手・増田達至(NTT西日本、現・西武)を外したカープは、前年リーグ最下位のチーム打率(.233)や得点力不足を立て直すべく、野手中心の指名にシフトチェンジ。この年の2位指名でカープが獲得した高卒内野手(のちに外野手に転向)が後に4番となり、海を渡りメジャーで活躍することになる鈴木誠也(二松学舎大付高)である。チームは翌2013年、球団史上初となるクライマックス・シリーズ進出を勝ち取った。

1位・高橋大樹(外野手)龍谷大平安高
2位・鈴木誠也(内野手)二松学舎大付高
3位・上本崇司(内野手)明治大◎
4位・下水流昂(外野手)Honda
5位・美間優槻(内野手)鳴門渦潮高
◆育成選手ドラフト
1位・辻 空(投手)岐阜城北高
2位・森下 宗(外野手)愛知工業大
※◎マークは現役カープ選手

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◆2013年 順位3位(69勝72敗3分)/野村謙二郎監督

FA権取得時には「(ドラフトで)恵さん(田村スカウト。写真・右)がくじを引いてくれた。たくさんのご縁に背を向けることはできない」とコメントし話題になった。

 16年ぶりのAクラス入りを果たしたこの年の注目選手は、松井裕樹(桐光学園高、現・楽天)と大瀬良大地(九州共立大)の2人。カープが1位で指名した大瀬良は、ヤクルト、阪神も手を上げる3球団競合となった。『赤いパンツ』で験を担ぎ、担当スカウトとして球団初の抽選に臨んだ田村恵が、見事、交渉権獲得に成功。2位で東都大学リーグなどで結果を残した九里亜蓮(亜細亜大)、3位で社会人ナンバーワン遊撃手と評された田中広輔(JR東日本)らを次々獲得すると、即戦力の期待通り大瀬良、九里はプロ1年目から開幕ローテーション入りを果たし、田中も110試合に出場する活躍を見せた。

1位・大瀬良大地(投手)九州共立大◎
2位・九里亜蓮(投手)亜細亜大◎
3位・田中広輔(内野手)JR東日本◎
4位・西原圭大(投手)ニチダイ
5位・中村祐太(投手)関東一高◎
※◎マークは現役カープ選手

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