◆アクシデントが多かった2013年

 そして、堂林(翔太)に関しては微妙に立場が変化した。引き続き経験を積ませていく方針は変わらないが、チームとして「今年は絶対に結果を出さなければならない」という命題が前面に出てきた。だから悪いなら使わないということも視野に入れるようになった。結局彼は8月に骨折で離脱してしまうが、期待感は引き続き持っていた。

 2013年シーズンがスタートした。この年は序盤にアクシデントが多かった。4月20日の巨人戦でエルドレッドが死球を受けて骨折。そして4月23日のヤクルト戦で前田(智徳)も死球を受けて骨折。結局彼はこのシーズン限りで引退を余儀なくされることになった。そして(栗原)健太も不調で5月には二軍落ち……当初軸として考えていた選手が次々と離脱したことにより、チームは前半、気落ちしたところもあった。

 しかし、そのことにより逆に腹がくくれたところもあった。これはもうピッチャーをやりくりして僅差で勝っていくしかない。四番と代打の柱が抜けてしまったので、打線も日替わりでいくしかない。

 この時期、ケガの功名ではないが、若い選手が奮起してチームを救ってくれた。松山(竜平)も頑張ったし、梵の勝負強さも光った。いかにランナーが溜まった状態で梵に回すかを考えた結果、彼を五番に置くことが増えた。