新井貴浩新監督のもと、新たなチーム人事が発表された。2015年に、新井監督とともに広島に復帰し、チームを25年ぶりのリーグ優勝へと導いたOB・黒田博樹氏の球団アドバイザー就任である。

 1996年にドラフト2位(逆指名)で入団した黒田は、2008年にドジャースへ移籍すると、以降、2014年までMLBで活躍。2015年の広島復帰は、日本のみならず大リーグ関係者からも大きな注目を集めた。日米通算200勝を達成したレジェンド・黒田博樹。これまで広島アスリートマガジンでは、黒田の声をファンに届けるインタビューを掲載してきた。

 2年連続開幕投手を務めるなど、 エースへの道を歩み続けた2004年。 黒田は“新しい自分を作るため”に アリゾナで初の自主トレを実施。 さらなる進化を求めていたーー。

2004年には、野村謙二郎とアリゾナで自主トレを行った

◆今まで以上の力を出したい

― 自主トレで1月にアリゾナに行かれました。これは野村さんから誘いがあったという話ですが。

「僕も前々からアメリカには行きたいとは思っていたんですが、野村さん(謙二郎・現野球解説者)に声をかけてもらったから弾みがついたというか、自分も行ってみようかなという気になりました。『今までにはない新しい自分を作りたい』『今まで以上の自分の力を出したい』ちょうどそう思っていたところでした」

― アリゾナでは現役メジャーリーガーからチェンジアップを教えてもらいましたが。

「去年までとはもう1ランクアップというか、ひと回り大きくなりたいなと思っていたところに、たまたまチェンジアップが見つかったというだけなんです。少しでも球種が増えると投球の幅も広がりますし、相手も考えてくると思いますから」

― チェンジアップをキャンプで試してみて、手応えはいかがですか?

「こればっかりは打者と対戦していってからじゃないと分からないですから、実戦で使っていって試したいと思います。チェンジアップ、チェンジアップと言いますが、1試合に20球も30球も投げる球ではないんで、そういう意味では従来の真っ直ぐとフォーク主体のスタイルプラスチェンジアップという形で使っていきたいと思います」

― 昨シーズンが終わってからアリゾナに行かれるまでのトレーニングはどんなものでしたか?

「アリゾナに行く前はほとんど実家(大阪市)の近くのジムでウエイトとプールでしたね。本格的なトレーニングというほどではありませんでした。去年はアテネ五輪最終予選もありましたし、終わった後は精神的にも肉体的にもぐったりしましたので、『オフはしっかり休んでおこう』という気持ちが強かったです。良いリフレッシュができたと思います」