新井貴浩監督が率いる2023年新生カープ。チームの和、野手陣、投手陣、そして今年の勝敗の行方まで2021年まで共に戦った安部友裕氏の視点で徹底解説。

5年連続で開幕投手に指名された大瀬良大地投手。

◆「大地がとても良いんですよ」

　投手陣も変わってきました。島内（颯太郎）なんて、目つきが全然違います。これまでフワっとした感じがありましたが、キリっとした雰囲気で、目の色が変わったようにキャンプを過ごしていましたね。

 （ 大瀬良）大地と話すと、もう一度、新鮮な気持ちで勝負して開幕投手を狙うと言っていました。その大地がとても良いんですよ。調子の良し悪しで投げているレベルの選手ではないのですが、投球フォームがすごく力強くなりました。

 「平進運動の速度を求めている」と、大地は言っていました。平進運動というのは、投手の場合、振りかぶって投げ出した瞬間から投げ終えるまでの、体が移動する速さのことを指します。そういった大地の意識や取り組みが、投手陣に良い影響を与えているのは間違いないのです。

　主力となる選手が、しっかりと言葉と行動で表すと周りが締まるんです。「みんなで目的を持って、こうやっていこう」とか「もっと自分たちで高い意識を持とう」とか、そんな言葉をベテランが口に出し、行動で示しているんですから、若手が奮起しないわけがないですよね。

　そんなチームの雰囲気になったのは、やはり新井監督っていう存在が要因だと思います。熱い人、思いをきちんと伝える人だと、みんなその人柄を知っています。しっかりと周りを見て、すごく考えている人。ついて来いというよりは、勝手に選手がついていっている状態になっていますね。

広島アスリートマガジン4月号は、いよいよ始動した新井新監督が表紙を飾ります！広島のスポーツチームを率いる監督たちの哲学にもご注目ください！

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