3連覇を知る一人、會澤 翼選手が語るあの時のカープ、これからのカープ。そして捕手最年長となって、これから若手選手に伝えなければいけないこと。たくさんの思いを抱きながら、溢れる声援が戻ったスタジアムで、今シーズンも負けられない戦いに挑む。

ファンと一緒に『共闘』して優勝を目指すと誓う會澤 翼。

チームを背負って、絶対に勝たなくてはいけない

─これからチームを牽引し、一軍で活躍する選手がどんどん出てくると思いますが、何を伝えていきたいですか?

 「一軍というのはやはり一番苦しいところで、楽しいところではないと思っています。それに対して正面から向き合っていくというのは、すごく大切なことだと思います。一軍は勝ってなんぼの世界ですから、経験がないから出来ない、仕方ないといった、何かを理由にして、負ける言い訳ができない世界です。なぜかというと、やはり高いお金を払って見にきてくれ、応援してくれるお客さんがたくさんいますからね。

今日は負けても仕方ないというなら、ファームにいれば良いと思います。でも一軍は負けてはいけない、そういう場所ですし、そうあって欲しいと思っています。そういう気持ちを持つだけでも、それが良い結果につながるんだと思います。試合に出ている以上は、カープの顔であり、チームを背負ってスターティングメンバーに名前を出してもらっているわけですから。若いとか中堅、ベテランだとかは関係なしに、出ている以上はチームを背負って、絶対に勝たなくてはいけないのです」

─そんな強い気持ちを持って試合に臨まれている選手のみなさんを後押しする、鳴り物応援、声援が解禁されましたね。

 「いやもう、本当にうれしいですよ。戻ってきたなというか、これが一軍の試合だなと感じます。みなさんの声援だけで気持ちが高まるというか。これまでの3年間は、やはりさみしいものがありました。野球をやっているようでやってない感じがすごくしていましたね。声援があるだけで、体の中からグッと込み上げるものがある、アドレナリンが出るという感覚をすごく感じました。『オォー!』っと、自分の中でなにかが湧き出てくるような感覚、プロ野球が戻ってきたぞと。

 あの声援を受けたら、またあの場所で野球がしたいと、誰でも必ず思うはずです。それくらいみなさんの声援というのは、気持ちを高めてくれますし心強いですよね。パワーがあるんですよ。ですから、いつでも試合に出られる準備はしっかりしておこう、試合に出るんだという気持ちは常に持っています。もちろんチームが勝たないと意味がないと思うので、チームのためにどんな役割だろうと全うしようと思っています。

 マツダスタジアムは独特なので、やっぱりあの声援が僕たちには力になってくれますし、相手チームには脅威に感じます。みなさんと『共闘』です。一緒になって戦い、勝利を目指します。僕らもチーム一丸となって戦っていきますので、もっともっと大きな声援をお願いします」

會澤 翼(あいざわ・つばさ)

1988年4月13日生、茨城県出身、35歳。水戸短大付高(2006年高校生ドラフト3巡目)。強打の捕手として2014年頃から正捕手として多くの試合でマスクを被った。2016年から始まるリーグ3連覇ではチームの原動力となり、投手陣を牽引するだけでなく強力打線の一角として存在感を示す。2017〜2019年は3年連続でベストナインに選出された。

広島アスリートマガジン5月号は、「まだ見たい!もっと見たい!」勝利を知る経験者たちの魅力をお届け! カープ3連覇を支えた投打の主力たちの現在地に迫ります。