リーグ4連覇を目指した緒方カープの船出は、予想に反して厳しいものとなった

 カープの2019年ペナントレースが終了して、はや1カ月あまり。リーグ3連覇を成し遂げた緒方孝市監督が退任し、新たに佐々岡真司氏が第20代監督に就任するなど来シーズンに向けて急ピッチでチームの改革が進んでいる。なぜカープはリーグ4連覇を逃したのか。来季に向けての強化ポイントを探る意味でも、今季のカープの戦いぶりを今一度プレイバックしてみたい。

 丸佳浩のFA移籍はあったものの、大方の予想は「今季のカープも強い」というもので一致していた。事前の優勝予想で1位に挙げられることも多く、リーグ3連覇を果たした王者が大幅に崩れる姿を思い描いた人は少数派だったに違いない。

 事実、開幕戦では昨季の最多勝、最高勝率の二冠投手である大瀬良大地が抜群の安定感を見せ、中崎翔太とのリレーで巨人に完封勝ち。開幕戦での二桁奪三振は球団初というオマケつきで、リーグ4連覇に向け王者がこれ以上ないスタートを切った。

 ところが体調不良でジョンソンが出遅れるなど、投手陣の綻びが響き開幕カードは1勝2敗と負け越し。続く中日戦の初戦にも敗れ、開幕4試合目とはいえ15年6月24日以来、1378日ぶりの最下位を経験した。鬼門のナゴヤドームでは拙攻が続き、2カード連続での負け越しが決定。リーグ3連覇中の借金は最大で1だったが、再び借金2に逆戻りしてしまった。

 3カード目の阪神戦でも調子は上がらず、10年以来9年ぶりとなる開幕から3カード連続となる負け越しをマーク。貧打、失策、投手陣の乱れの三重苦に見舞われたカープは、4カード目でさらに失速(ヤクルトに3連敗)し、借金は早くも6に膨れ上がっていた。

 過去に開幕4カード連続負け越しから優勝した球団はなく、わずか11戦目の時点(4月10日、対ヤクルト)でデータ上では優勝確率は0%となった。優勝候補筆頭のカープが、気づけば単独最下位が定位置となっていたーー。