1950年にカープが創設され、70年以上の時が流れた。数々の輝かしい歴史、記録、成績にファンはいつの時にも一喜一憂し、そしてカープを我がチームのように応援し続けた。しかし、その栄光の影にひっそりと記されてきた「珍」記録・事件もまた、チームや選手に対する愛がより一層増す、とても味わい深いものなのだ。

【File11】カープでは74勝をマークした大竹 寛。2012年にはカムバック賞を受賞。

◆【File10】史上5例しかない! しかも一人はシーズン唯一の本塁打

 チームを存分に勢いづける初回の先頭打者ホームラン。記録としてはさほど珍しくもないが、ここから後続も本塁打攻勢で続く珍しい記録が、『初回3連続本塁打』の記録だ。これまでに5例しか数えられていない記録で、カープでは1989年6月4日に髙橋慶彦、正田耕三、ロードンが放った3連続が唯一。しかも正田の本塁打は当シーズンこの1本のみだった。

◆【File11】全球団から勝利をもぎ取ったカープ唯一の投手

 2005年からセ・パ交流戦が導入されたが、一流の投手でないとなかなか達成する事ができない『全球団勝利』記録。少なくとも1度はチーム移籍をする必要があるうえ、移籍先でも信頼を得ないと記録達成は不可能だ。カープでは2002年に入団し、2013年オフにFAで巨人へ移籍した大竹 寛が2014年に記録したが、12球団目の勝利は奇しくもカープからだった。

【File12】ランスのような個性的な助っ人外国人へは、いつもより応援に力が入る。

◆【File12】最低打率の本塁打王と本塁打0の首位打者がいる打線

 1987年に39本のホームランを放ち本塁打王に輝いたのは、規程打席到達者の中で最低打率.218をマークした髭がトレードマークのランス。一方で、この年に首位打者に輝いたのは、巨人・篠塚利夫と、し烈な首位打者争いを演じた正田耕三。正田はこの年、1本のホームランも打たずに.333という打率をキープし、篠塚と共に二人での受賞となった。

◆【File13】その名前に、どうしても活躍を期待してしまう

 カープ歴代選手には、「梵」や「音」、「北別府」「苫米地」といった珍しい苗字を持つ選手が多いということは有名な話。不思議とこういった選手が活躍することが多く、インパクトも強い。ちなみに現在チームに在籍している珍しい名前は『塹江敦哉』だろうか。ドラフトで珍しい名前の選手が候補に上がると、ワクワクしてしまうのはカープファンの性なのかも。

【File14】2位を叩けば必然的に優勝! ペナントレースの必勝法を見出した

 シーズンを制するために重要な要素の一つが、首位に立ったときの2位チームとのゲーム差、および対戦成績。2018年のカープは、交流戦こそ7勝11敗で10位に沈んだものの、レギュラーシーズンでは82勝59敗2分で見事に3連覇を達成した。シーズン中の2位との対戦成績は23勝3敗1分で、勝率はなんと9割を超える驚異的なものだった。

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