2019年5月以来となる10連勝で、一時はセ・リーグの首位に立ったカープ。西川龍馬の離脱や外国人選手の不調など、アクシデントに見舞われるなかでも僅差の試合を勝ち切り、着実に貯金を積み上げてきた。カープOB・大野豊氏が、逆転Vへのキーマンを独自の視点で解説する。(数字は全て7月12日時点)
◆9月に向けた投打のカギは、大瀬良大地と秋山翔吾
逆転優勝に向けてのキーマンをあげるとすれば、投手陣ではやはり大瀬良大地でしょう。
打線との兼ね合いがあるにしても、今シーズンはここまで思うように勝ち星をあげることができていませんし、先発ローテーションのなかでも唯一負け越しているのが大瀬良です。
一番実績のある投手ですが、今はなかなか自分の思うように投げきれていないというか、試行錯誤をしているように見受けられます。打線が大瀬良を援護し、どんどん勝ちがつくような形になっていけば、チームの状態も良くなっていくはずです。
今シーズンは、リフレッシュのための抹消など3度の戦線離脱がありました。状況としては決して良いとはいえないスタートだったかもしれませんが、『エース』と呼ばれる投手なのですから、他の投手が苦しい時にこそ、その力を発揮してもらいたいと思います。
10連勝を振り返ると、先発陣の防御率が1点台と、非常によく頑張ってくれていることがわかります。
一方、野手陣を見ると、大量得点で楽に勝利した試合はあまり多くはありません。そんななかで、野手のキーマンをあげるとすれば、カープでの2シーズン目を迎えている秋山翔吾でしょう。今季はチーム内でも大変な立場だとは思いますが、周りの選手たちに声をかける、プレーで見せるといった方法で、若い選手たちにも良い影響を与えていってもらいたいです。
秋山自身、かなり疲れも溜まってきていると思いますが、春先に見せていた勢いのある打撃を取り戻し、チームを盛り上げ、勝ちに貢献するような活躍を期待したいと思います。
首位争い、逆転優勝のためには、ここからが非常に重要です。先ほどキーマンとして名前をあげた二人はもちろんですが、チーム全体で勝利をつかみ、できれば二桁の貯金がある状態で、9月の戦いに向かっていってもらいたいと思います。