今夜から開催されるプロ野球の祭典オールスターゲーム。カープからは秋山翔吾、九里亜蓮、N・ターリーが出場を決めている。7月19日にはマツダスタジアムでの開催も予定され、12球団の全ファンが楽しみにしているにちがいない。そんな球宴の中でも“カープとオールスター”に焦点を絞り、記憶と記憶に残る数々の名シーンを振り返ってみよう(過去掲載記事を再編集)
第1回目となる今回は球宴黎明期の1951年から1979年まで。カープ関連のニュースに限定しても枚挙に暇がないが、数ある名シーンの中から代表的な3項目を取り上げてみよう。
◆1975年/甲子園 赤ヘル旋風を巻き起こした両巨頭が2打席連続アベックアーチ!
悲願の初優勝を果たした1975年の名シーンの一つが、オールスターゲーム第1戦で山本浩二と衣笠祥雄が放った2打席連続アベック本塁打である。
オールスターゲームの直前でカープの4番に定着した山本は、全セでは3番を任され4番・王貞治(巨人)、5番・田淵幸一(阪神)と共にクリーンアップを形成。まずは山本が初回に3ランを放つと、6番に座った衣笠も呼応するように左中間にソロ本塁打を放り込んだ。
続く2回裏にも二人が連続アーチを左中間に叩き込み、序盤で試合の大勢を決めてみせた。カープが5月に2年ぶりの単独首位に立ち、前半戦終了の時点で首位・阪神に1.5ゲーム差と肉薄していたこともあり、このアベックアーチを機に世間では“赤ヘル旋風”が巻き起こった。
結果的に球団創立26年目で悲願の初優勝を果たすことになるが、勢いという意味でもこのアベックアーチが優勝へと突き進む大きな原動力となったことは間違いない。結果的に3安打5打点の活躍を見せた山本が、第1戦のMVPに輝いた。