中学硬式野球5団体の各選手権大会を制したチームが集い、日本一を決める『1st エイジェックカップ 中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ』の決勝戦が8月29日、阪神甲子園球場(西宮市)で午前9時から行われた。

優勝の瞬間、ポニー佐賀ビクトリーの全員がマウンドに駆け寄った

 決勝に進出したフレッシュリーグの佐賀フィールドナイン(佐賀)は、28日に行われた第1試合でヤングリーグのヤングJKB(広島)を4対3で、第3試合ではボーイズリーグの明石ボーイズ(兵庫)を5対0で下しての進出。

 対するポニーリーグのポニー佐賀ビクトリー(佐賀)は、第3試合でリトルシニアの世田谷西リトルシニアを4対1で破っての決勝となった。どちらも佐賀県内で活動するチームで、練習場も隣同士。甲子園で中学硬式野球の日本一を決める戦いとあって、選手たちの気合も十分だ。

 佐賀FNの先発横尾宗二郎投手は、1回の立ち上がりを三者凡退で締めるテンポの良い投球。対する佐賀Vの先発・溝口童夢投手も、打たせて取る投球で初回を3人で切り抜けた。

 4回表、佐賀Vの先頭打者・田中楓真選手が二塁打で出塁すると、すかさず送って1死三塁。続く3番福地海誠選手が四球を選び、4番の峰松絋大選手へとつないだ。先制のチャンスをもらった主砲は、ライト線へ上手く運び、2点タイムリー二塁打。さらに2本の安打で1点を追加して、3対0とした。一方の佐賀FNも4回裏に古川颯人選手のタイムリーで1点を返し、粘りを見せた。

 続く5回に1点を加えた佐賀Vは再び点差を3点とし、流れを呼び戻して中盤から試合を優位に進めていく。なんとか反撃したい佐賀FNは5回裏、連続四死球で1死一、二塁のチャンスをつかんだが、2番百武俊樹選手の鋭い打球は、二塁手正面をつくライナー。これがダブルプレーとなり、反撃の糸目を紡がれてしまった。

 6回裏に1点を返した佐賀FNは、最終回となる7回裏1死から9番筋田泰雅選手が四球で出塁すると、代走原田聖也選手。続く1番坂口翔仁選手のレフト前安打で1死一、二塁のチャンスをつくった。しかし2死二、三塁で迎えた3番西柚稀選手が一塁ゴロに倒れゲームセット。ポニーリーグの佐賀Vが『1st エイジェックカップ』の優勝に輝いた。

 勝った佐賀Vキャプテン峰松選手は「こんな綺麗で大きな甲子園で野球ができるだけでも楽しかった。緊張はしたけど、甲子園でプレーできるというだけでチーム全員の気持ちが高まり、良い状態で試合に入れた。すごく楽しく、良い大会でした」と、甲子園で野球ができる貴重な経験を存分に楽しんだようだ。

 また、古澤豊監督は「各リーグの交流ができる素晴らしい大会。これをきっかけにリーグの交流が活発になっていけば良いと思う。選手たちは、暑い中みんな本当によく頑張ってくれた。最後は気持ちで投げてくれた投手、しっかり守ってくれた野手、それを盛り立ててくれたみんなで勝てた試合だったと思う」と感謝を述べ、リーグの垣根を越えた大会の初代優勝チームの言葉とした。

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