◆FA権を持った選手は全員必要

 指名後には森下投手とお会いされました。どんな印象を受けましたか?

 「もし1位で交渉権を獲得できたら、すぐに会いに行こうと決めていました。実際に会ってみるとカープ女子のみなさんから人気が出そうな良い男で、好青年でしたね。体はスマートでしたが、あの細さであんなにすごい球を投げるのかと思うと、プロでまだまだ伸びるだろうという期待感、楽しみが膨らんでいます」

 その後、若手が連日奮闘しているフェニックスリーグも視察されました。

 「監督に就任してから一通り挨拶をしたかったですし、当然二軍の練習にも足を運ぼうと思っていました。『全員で競争だ』、『みんなで一つにならないと強いチームになれない』ということを言いました。今季は一軍投手コーチだったので、二軍のルーキーを見る機会もなかなかありませんでした。今後は秋、春のキャンプでの見極めが必要になってきますが、良ければ一軍キャンプへ連れていきますし、そうでなければ二軍に戻ってもらいます。そういう厳しさの中で競争意識を持ってほしいと思っています。まずは秋のキャンプへ若手を連れていきますが、一軍経験のある選手と一緒に練習をする中で、若手が自分のプレーをできるか?そういう部分を見ていきたいですね。いずれにせよ、楽しみな若手がたくさんいますよ」

 監督就任後には、會澤翼選手のカープ残留という大きなニュースもありました。

 「まず監督に就任したときから、今FAの権利を持っている選手は全員必要だと思っていました。その中でまず最初に會澤がカープに残ってくれるということを聞いて、ホッとしましたし、チームの要である選手なので残ってくれないと困るところでしたからね。僕自身すごくうれしかったです」

 秋季キャンプではどんなテーマを持って臨みたいと考えておられますか?

 「やはり投手、野手ともにまずは若手の底上げですね。投手であればリリーフ陣が今季弱かった分、若手のアピールに期待する面がありますし、野手も含めて今回連れていくメンバーで実戦を入れながら見極めていきたいと思っています。今回秋季キャンプに行くメンバーは必死になって練習してもらいたいし、みんなライバルです。その中で『絶対に一軍に残るんだ』という気持ちで実戦練習に入ってほしいですし、結果よりも内容を重視していきたいと考えています。厳しさを伴う練習の中で、同じ失敗を繰り返すようなことがあれば、広島に帰ってもらうこともあるでしょうし、当然厳しくいきたいと思います」