破壊力のあるシュート、的確なアシスト、アディショナルタイム最後まで走り切る姿。プロ1年目からその姿でファン・サポーターの心をつかんだ若きエースは、2年目の昨季、広島のレジェンドの背番号を受け継いだ。今シーズンも中心選手として期待される満田誠が、ルーキーイヤーに語っていたレジェンドへの思いをお届けする。(「広島アスリートマガジン2022年6月号」収録記事を再編集)

2024シーズンは開幕戦からボランチとして出場。ユース同期の川村拓夢と共に試合をコントロールしている。

◆まさに完勝試合の立役者!点を取り、アシストもできる選手へ

―2022年5月7日の鹿島戦(○3-0)では、ゴール後にコーナーフラッグへ走り、佐藤寿人さんを彷彿とさせるパフォーマンスを見せてくれました。  

「4月17日のジュビロ磐田戦(△2-2)でも同じパフォーマンスをしたのですが、エディオンスタジアムでも絶対にしたいと思っていました。ユースの頃に強いサンフレッチェを見ていて、その中心にいる佐藤寿人選手はずっと憧れでした。同じFWの選手ということもあり、自分の目指すべき理想の存在です」

―ここまでで一番印象に残っているのはどのゴールですか?

 「湘南戦でのリーグ初ゴールです。それまでは、内容の良い試合をしている手応えを感じつつも勝利できていませんでした。どんな内容でもまずは勝つことが大事。17位の広島と18位の湘南(いずれも4月2日時点)の試合で勝てなければ、今シーズンは厳しいとも思っていました。チームのシーズン初勝利につながるゴールになったので、特に印象に残っています。ちょうどスタメン出場が定着し始めた時期でもあったので、自分にとってもチームにとっても、好調の流れを作ることができた分岐点になったのではないかと思っています」

―監督からは、どのようなことを要求されていますか?

「個人として要求されていることは特にありません。チーム全体に対しては、速いパスと攻撃で早くポジショニングを取って、もっとボールを動かそうと言われています。展開が早い方がスリリングで、観ている人も面白いですよね。選手としては、ファンのみなさんに楽しんでもらうことが一番大切だと思っているので、今の広島のサッカーが面白いと言われるとうれしいです」

―一つひとつのプレーの強度が高いのも魅力です。

「プレーの強度に関しては、練習の段階からこだわっています。選手間で、『もっとワンプレーにこだわっていこう』と声を掛け合うことも多いので、試合でも実践できているのだと思います」

―これから夏場の厳しい連戦が始まりますが、上位を狙える手応えは?

「どの試合であっても、『負けるはずがない』という意識でプレーしています。5月28日の名古屋戦(○1―0)のように、フリーキックの1点を守り切って勝利できる試合が増えれば上位にいけると思います。追加点を取りに行くというチームのスタイルは、相手にとって脅威のはずです。これだけの圧力を90分間かけ続けることができれば、1点以上は取れると思います。その上で、広島の強いDFラインとGKがいれば、負けることはありません」

―守備を信頼されているんですね。

「信頼しているからこそ、安心して前から攻めることができています。みんなすごい選手ばかりですが、塩谷司選手と佐々木翔選手は特にすごいですね。いろいろなチームと試合をしてきましたが、この二人ほど強いDFはいないと思います。強い・速い・上手い。勝てる気がしないので、一番マッチアップしたくない存在です(笑)」

―では、サッカー選手としての目標は?

「海外に挑戦して、世界に通用する選手になりたいと思っています。自分も日本代表として戦える選手になりたいです」