4カード連続で続いた開幕直後のビジターゲームを5割で乗り切ったカープだが、地元に凱旋以降は梅雨空にも似た戦いぶりが続いている。堂林翔太を筆頭に好調をキープしている選手もいるが、打線はつながりに欠け、投手陣も本来の姿を取り戻すまでには至っていない。

 なかでも深刻なのが、昨季からの課題でもあったリリーフ陣だ。抑えに指名されたスコットが早い段階で二軍降格となり、リーグ3連覇に貢献した実績組も復調と呼ぶにはまだ早いというのが現状だ。かつては先発、中継ぎ、抑えでフル回転し100勝100セーブを達成したカープOBの大野豊氏が、早期の修正点も含め今後の注目ポイントについて言及する。

プロ初勝利をマークするなど、ブレイクの予感を漂わせている塹江敦哉投手。

 本来の日程から大きくずれ込んでの開幕になりましたが、最初の長期遠征を5勝5敗1分の5割で乗り切りました。野球以外の部分でも外出禁止などさまざまな制約を受ける中で、まずは良い形でスタートは切れたと思います。

 ただ7月以降は、再びカープらしい野球が影を潜めるようになりました。地元に戻っての初戦が雨天中止になったり、大瀬良、ジョンソン、森下らのいずれもが雨の影響を少なからず受けました。空模様と同じで、そこから少しずつチーム状態が悪くなっていった印象を受けています。

 打線も鈴木、松山、堂林が好調を維持していますが、打線のつながりも含め心配な部分も存在します。リーグ3連覇を果たしたときは打線のつながりが爆発的な得点力を生み出しましたが、昨季からやはり打線が湿りがちになっています。投手陣ほど手を加えることはないと思いますが、今後は打線の組み替えも必要になってくるかもしれませんね。