2017年夏の甲子園から3年。初の一軍登録を勝ち取った中村奨成が、7月26日のDeNA戦で待望のプロ初打席を迎えた。6点ビハインドの7回に代打で登場すると、初球から豪快なフルスイングを披露。結果は投ゴロに終わったものの、3球すべてスイングする積極性を見せた。

 振り返ればプロ入り後は故障なども重なり、思うような結果を残せずにいた。ところが今季は初めて一軍春季キャンプに帯同し、ウエスタン・リーグでは打率.339で首位打者をキープ(7月27日現在)。バットで結果を残しての一軍昇格だった。ここでは晴れてスタートラインに立った背番号22の、プロ1年目の声を振り返る。
(『広島アスリートマガジン』2018年5月号掲載)

2018年、入団5カ月時点の中村奨成選手。一心不乱に練習に取り組んだ。

─ 1月の入寮から約2カ月が経過しました。プロの雰囲気には慣れましたか?
「だいぶ慣れました。最初の頃は緊張もしていましたし、小さな頃からずっと応援していた球団なので、なんだか不思議な感覚がありましたね」

─ 憧れの球団であるカープのユニホームに袖を通してみて、カープの選手になったという実感は湧いていますか?
「やはり、いろんなメディアなどで取り上げていただいていたりしますし、実感が湧いています。ただ、ユニホームはまだ似合っていないような気がします(苦笑)」

─ 2月からは初めて日南キャンプに臨みました。どんなテーマを持って練習に取り組んでいたのですか?
「とにかく技術のレベルアップを目指して取り組みました。打撃だけではなく、守備にしても走塁にしても、全ての面においてレベルアップしたいと思いましたし、その中で体も大きくして、体力もつけていこうと思って練習していました」

─ 捕手だけにキャンプでは、先輩投手の球を受ける機会が多くあったと思います。高校時代とどんな違いを感じましたか?
「スピードはもちろん、球のキレや質が全然違いました。やはり実際に受けてみて想定外でした。思ったよりうまく捕球できませんでしたし、良い音を立てることもできませんでした。高校時代と同じ捕球をしていてはダメだと実感させられましたし、それは今も苦戦している部分です」