昨季、優勝を目前で逃したサンフレッチェ広島にとって、新スタジアムで迎える2年目のシーズンはタイトル獲得に向け、いままで以上に負けられない1年になる。クラブの決意を表すように、新戦力の大型補強を敢行。昨シーズンのJ1リーグ3位タイとなるゴール数をマークしたジャーメイン良はいま、どのような思いで広島のサッカーと向き合っているのだろうか。(全3回/第3回)

2月に行われた第2節・横浜FM戦で待望の移籍後初ゴールをマークした

◆チーム、クラブの目指すものに貢献できるように1年間、精一杯戦う

—大学卒業後にプロになって、今季が8年目のシーズンです。どんなプレーでサンフレッチェの力になれると感じていますか。

「前線からの守備、ポストプレー、裏のスペースへの抜け出し、競り合いなど、何でもできることが自分の売りの一つで、そういうプレーでチームのプラスになれると思っています。あとは、自分の昨季の得点は、ほとんどがサイドからのボールを決めたもので、サンフレッチェはサイド攻撃が持ち味なので、強みを生かせるはずです。東 (俊希)選手や越道 (草太)選手、新井 (直人)選手、中野 (就斗)選手などサイドの選手には、クロスを上げてほしいタイミングなどを伝えています。シーズンを通して意思疎通を図っていきたいです」

—実際にプレーしてみて、サンフレッチェの特徴だと感じるのは、どんなところですか。

「前線からどんどん相手にプレッシャーをかけていく守備が、サンフレッチェらしさだと感じています。これまでよりも守備面を求められていますが、自分は監督やチームのやりたいことを表現できるタイプだと思っているので、対応してやっていきます」

—得点数など、今季の具体的な目標は?

「これまでずっと、前のシーズンの得点数を絶対に超えたいと思ってやってきました。昨季が19得点なので、20得点になりますね」

—チームメートでよく話をする選手は?

「同い年の川辺 (駿)選手は以前に少し話したことがあって、トルコキャンプで同部屋だったので、よく話すようになりました」

—ホームスタジアムのエディオンピースウイング広島は昨季、リーグ全体でも大きな話題になりましたが、ジャーメイン選手は広島での試合は負傷離脱中で欠場していますね。

「そうなんです。まだプレーしたことがなくて。新加入選手会見と写真撮影で中に入ったときに 『お客さんが入ったら雰囲気が良いだろうな』と感じたので、楽しみです」(取材は2月上旬)

—写真撮影などで紫のユニホームに袖を通してみて、どんな印象ですか。

「これまでの仙台、横浜FC、磐田が明るい、薄い色のユニホームだったので、濃い紫は新鮮でした。自分は顔が濃いので、似合っているかどうか、サンフレッチェファミリーのみなさんに聞いてみたいです」

—最後に、そのサンフレッチェファミリーのみなさんへのメッセージをお願いします。

「今季、求められているのは優勝のみです。それに貢献できるように1年間、一生懸命頑張ります。応援よろしくお願いします!」

ジャーメイン良
1995年4月19日生 (29歳)、神奈川県出身
流通経済大付属柏高から流通経済大へ進み、2017年に仙台でプロキャリアをスタート。横浜FC、磐田を経て、2025シーズンから広島に加入した。昨季はリーグ戦31試合に出場し19得点をマーク。川崎戦では1試合4得点をあげるなど得点力の高さも特徴で、広島の新ストライカーとして注目を集めている。