打線の中心として期待され、『変化』の年に臨む小園海斗。プロ7年目を迎えた今シーズンは、中堅として若手を引っ張る立場にもなった。雪辱のシーズンを戦う小園が、改めて、『自身に求められる姿』を語る。(全3回/第3回)
◆打順については意識はしない。任されたところでしっかり仕事をするだけ
2月後半からのオープン戦では、小園は主に3番スタメンで起用され続けた。守ってはサード、さらに昨年守っていないセカンド、3月8日のヤクルト戦(マツダ スタジアム)では試合途中にファーストで起用されるなど、首脳陣は新たな可能性を探る起用法を見せている。
「打順については特に意識することはありませんね。僕はどの打順でも良いので、とにかく任されたところでしっかりと仕事をするだけだと思います」
打撃、守備の両面において高いレベルでプレーを発揮し続ける小園の存在は、これまで以上にチームにとって大きなものとなっている。そして誰もが期待するのが、昨年以上の打撃面での結果だ。打撃での目標設定について問うと、このように答えてくれた。
「打撃面での数字的な目標設定は特になくて、そこは毎年設定はしていないですね。打撃で言うと、やはり『小園だったら大丈夫』と言われる選手になりたいです。いろんなところで仕事ができるというか、対応できるというか、そういうところができれば良いなと思っています。そういうところが僕には求められていると思うので、しっかりと打線を引っ張っていけるようにしたいと思います。強いて目標を挙げるなら、やっぱり全試合に出ることが一番ですね。昨シーズンのように全試合に出て、活躍したいという思いが強いです」
特に目標は設定せず、自身の置かれた状況でベストを尽くすというシンプルな考えだ。ここ数年の経験値と実力からすれば、昨シーズンのように全試合出場を果たせば、打率3割など、キャリアハイの成績を残す可能性も高いだろう。
今や、押しも押されもせぬカープの主軸となった小園を突き動かす原動力の1つに、昨シーズンの悔しさがある。
「昨シーズンは本当に悔しい思いをしました。それはやっぱり、出ている選手に一番責任があると思います。そういう思いを含めて、しっかり取り返したい思いがすごく強いですね。そういう強い思いでチームのみんなはやっているというところを見てほしいですし、しっかりプレーして、しっかり結果を残していけるように、みんなで優勝の瞬間を分かち合えるように、頑張りたいと思っています」
小園がプロ入りしたのはチームが3連覇を達成した翌2019年。以来、チームは6年間優勝から遠ざかっている、。その間、紆余曲折がありながらも小園は着実に力を付け、結果を残し、次世代のチームリーダーとして目される存在となった。昨シーズンの雪辱を果たすべく、背番号5は2025年シーズンを戦い抜く。
■小園海斗(こぞの・かいと)
2000年6月7日生・24歳(プロ7年目)/兵庫県出身
右投左打/178cm・91kg/報徳学園高−広島(2018年ドラフト1位)