開幕から一進一退の戦いを強いられている佐々岡カープ。序盤から苦戦を強いられている最大の要因がリリーフ陣にあることは明白だ。塹江敦哉が勝ち試合での登板を増やし、ケムナ誠、島内颯太郎などの若手投手も中継ぎとして一軍定着へ奮闘を見せている。しかし、さらなる浮上を目指す要素として、近年のブルペンを支え続けてきた経験豊富なリリーバーの復活も必要不可欠だ。

8月4日、由宇練習場でのシート打撃に登板する中﨑翔太投手。

 中でも最大の鍵を握るといっても過言ではないのが、ストッパー問題だ。開幕から新外国人のスコットが結果を残せず二軍降格となった後は、菊池保則に役割を託したものの定着するには至らなかった。直近でセーブ機会のあった8月5日のヤクルト戦(神宮)ではフランスアがストッパーとしてマウンドに上がっている。しかしながら、経験でいうならばストッパーとして3年連続胴上げ投手を経験した中﨑の実績に勝るものはないだろう。

 2019年オフに右膝の手術を行っただけに、本来であれば中﨑は3月開幕に間に合わないはずだった。しかし懸命なリハビリを続ける中で、コロナ禍の影響により開幕が延期したこともあり、滑り込みで開幕一軍メンバーに選出された。

「結果的に開幕一軍に選ばれたことは素直にうれしいですし、早く一軍のマウンドに戻ってこれたのは良かったと思います」  

 復帰後公式戦初マウンドとなった6月20日のDeNA戦では7回から登板し、1回無失点。その裏の攻撃で味方が逆転し、一軍復帰後初白星が転がり込んできた。

 「なんとか無失点で抑えることができたのは良かったですし、何よりチームが勝つことができて良かったです」