ルートインBCリーグは、リーグ所属の選抜選手約45名を対象とした能力測定会を5月21日に、栃木県栃木市にある『エイジェックスポーツ科学総合センター』で開催する。

 この測定会は、選手の身体的資質や競技能力を可視化し、NPB球団をはじめとした野球界全体へのデータ訴求を目的に実施される。NPB球団にとっては有望選手の詳細なデータを入手する貴重な機会となるだけでなく、選手個々にとってもパフォーマンス向上への意欲を高める効果が期待されている。

BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス鈴木智也

 NPBドラフト会議では、近年、独立リーグ出身選手の指名が増加傾向にあり、BCリーグだけでも2023年には過去最多となる8名、2024年には5名が指名を受けた。指名を受ける人数が増えるにつれ、上位指名や、即戦力としてNPBで活躍する選手も目立ちつつある。

 特に、身体能力が高く一芸に秀でている選手や、高校や大学では出場機会に恵まれなかった選手などが独立リーグで実戦経験を積むことで成長し、スカウトの目に留まるケースは少なくない。東海大時代に目立った実績はなかったものの、BCリーグで首位打者や盗塁王を獲得し、2023年西武へドラフト育成6位で入団した奥村光一外野手(当時 BC群馬ダイヤモンドペガサス)は、ルーキーイヤーに支配下登録を勝ち取ると、一軍で45試合に出場するなどその代表例と言える。BCリーグには『第二、第三の奥村』となり得る選手がまだ多く存在しており、今回の『能力測定会』は、そうした選手の潜在能力を可視化する取り組みとして、リーグの育成環境に適しているといえる。

 かつては『社会人野球に進めなかった選手の進路』といったイメージが強かった独立リーグだが、近年では逆に、社会人野球からNPBを目指し、BCリーグに加入する選手も増えている。今回選抜された佐藤英雄捕手(西濃運輸ー埼玉ヒートベアーズ)、鈴木智也外野手(エイジェックー栃木ゴールデンブレーブス)らも、社会人野球からの入団選手である。社会人野球から独立リーグに進み、NPB入りを果たす例も近年見られるようになり、彼らがそこに続けるかも注目だ。

 今回の測定会は一般には非公開で実施されるが、ここから新たな『ドラフト候補』となる選手が発掘される可能性は高い。BCリーグの取り組みが、独立リーグ、さらには日本野球界全体にとって、大きな一歩となることが期待される。

◆参加選手は以下

●福島レッドホープス
鎌田大輝 投手
池田琉威毅 投手
石橋 悠 投手
三沢大成 外野手

●茨城アストロプラネッツ
斎藤淳斗 投手
三浦遼大 投手
川平真也 投手
原田京雅 捕手
原 海聖 内野手
新太郎 外野手

●栃木ゴールデンブレーブス
竹本 徹 投手
堀越歩夢 投手
ダッタ 内野手
鈴木智也 外野手
三方陽登 外野手
桃次郎 外野手

●群馬ダイヤモンドペガサス
長 大聖 投手
加川航平 投手
髙橋主樹 投手
富浜琉心 捕手
小林幸之助 内野手
廣木幹彩 内野手

●埼玉武蔵ヒートベアーズ
大生竜万 投手
佐藤英雄 捕手
田村剛大 捕手
大城龍馬 内野手
横尾慎一郎 内野手
坪井壮地 外野手

●神奈川フューチャードリームス
福井聖理 投手
松村 青 投手
冨重英二郎 投手
中田優斗 投手
井上 翼 捕手
二宮陽斗 外野手

●山梨ファイアーウィンズ
小田嶋 優 投手
吉原大悕 捕手
星野夏旗 内野手
保科圭伸 外野手

●信濃グランセローズ
金澤智也 投手
ジェス 内野手
日下部由伸 内野手
明新大地 外野手
馬場愛己 外野手
大輔 外野手