今季の熾烈なカープ外野手争いのなかにあって、その存在感が一際大きくなっているのが大盛穂だ。大盛が指名された2018年ドラフト会議では、現在カープを支えるメンバーが多数指名されている。ここでは小園、島内、羽月、大盛らが指名された2018年のドラフトを振り返る。

2018年、カープ入団会見に臨むフレッシュな面々

 世代に限らず有力選手が点在するなか、2018年は主に高校生野手に注目が集まる年となった。

 実際のドラフト会議でも、根尾昂(大阪桐蔭高)、小園海斗(報徳学園高)に4球団、藤原恭太(大阪桐蔭高)に3球団と指名が重複。1位での単独指名は西武の松本航(日本体育大)のみという、稀有なドラフト会議となった。

 その中でカープは、2年連続でUー18にも選出されていた小園を1位指名。ソフトバンク、オリックス、DeNAとの抽選を制し、走攻守3拍子そろったゴールデンルーキーの獲得に成功した。小園はルーキーイヤーから一軍で40安打を記録。苦しむ時期もあったものの、今やカープに欠かせない存在として活躍している。

 2位以降も粒ぞろいで、小園の次に指名されたのは大瀬良大地の後輩である島内颯太郎(九州共立大)は今シーズン、球団史上3人目の100ホールドを達成した。7位・羽月隆太郎(神村学園高)は、その俊足を活かした盗塁でカープらしい機動力野球を体現している。

 2019年オフに支配下登録を勝ち取った大盛穂(静岡産業大)は、今季ここまで(6月19日現在)43試合に出場し打率.378、出塁率.425。昨シーズンまでは代打、代走での起用が多かったものの、6月中旬からはスタメンでの起用も増えている。カープの育成出身選手として、中谷翼以来10年ぶりに安打を記録するなど入団当初からその片鱗を見せていた大盛だったが、今年は大躍進のシーズンになりそうだ。

【2018年 カープドラフト指名選手】
1位:小園海斗(報徳学園高・内野手)
2位:島内颯太郎(九州共立大・投手)
3位:林晃汰(智弁和歌山高・内野手)
4位:中神拓都(市立岐阜商高・外野手)
5位:田中法彦(菰野高・投手)
6位:正隋優弥(亜細亜大・外野手)
7位:羽月隆太郎(神村学園高・内野手)
育成ドラフト1位:大盛穂(静岡産業大・外野手)