200センチ・115キロと規格外の体格が特徴の高卒右腕・菊地ハルン。将来の目標として書いた言葉も大きく……ズバリ『大谷翔平』!NPB現役最長身投手の大型ルーキーの今と将来の目標を聞いた。(全2回/第1回)

甲子園出場はないものの、高校時代はメジャーからのスカウトも視察にきたという(写真は2025年春季キャンプ)

兄を追いかけて始めた野球

ープロ入りから4カ月が経ちました。現在二軍で3試合に登板(6月4日時点)されています。

「いまは試合に出て経験を積んで、その中で自分の課題を見つけています。その課題を1年目でクリアして、来年へ向けてしっかりと準備ができるようにしています」

ー『課題』という言葉が出ましたが、具体的にはどのようなことですか?

「ストライクを入れるとか、四球を出さないとか、打者をしっかり抑えるという基本的なことです。球種のコースや、ストレートの質もそうですし、投げる中でも体幹が必要になってくるので、今は体力強化のトレーニングも頑張っています」

ーまだプロ生活が始まったばかりですが、手応えを感じる部分はありますか?

「手応えというか、いま自分の武器だと思うのは、やっぱり身長ですね。対戦する打者に圧を与えられる要素だと思うので」

ー身長2メートルから投げられる球は、打者もなかなか経験がないでしょうね。

「僕は投げる方なので分からないのですが……(笑)。相手打者が打ちづらいと思ってくれていたらありがたいですね」

ー今回はルーキーインタビューですので、菊地投手のプロ入りまでを伺います。野球を始めたきっかけを教えてください。

「4つ上の兄が小学校の野球チームに入っていたのがきっかけで僕も始めました」

ー当時はどんな少年でしたか?

「やんちゃではなくて、比較的落ち着いていたと思います。幼稚園の時から背の順は1番後ろで、小学生の頃から大きかったですし、目立ってしまってあんまり派手なことはしていませんでした(笑)」

ー中学は硬式野球の佐倉リトルシニアに進まれました。

「このときも兄がこのチームに入っていて、試合もずっとつきっきりで、兄の試合しか見ていませんでしたね。兄の代は全国優勝していたので、そういう姿を見ていて、僕も同じチームに行きたいと思っていました」

ーちなみにお兄さんも長身なのですか?

「周りに比べれば兄も背は高い方だと思いますが、中学くらいで僕が兄の身長を抜きました(笑)」

ーその後、千葉学芸高へ進学されます。

「有薗(直輝・日本ハム)さんが、佐倉リトルシニアの時の先輩なのですが、千葉学芸高からプロになっていました。なので佐倉の松井(進)監督から勧められて進学を決めました。ただ、中学時代に、僕は一度も公式戦に出たことがなくて、野球のレベルとしては全然ダメだったので、行けるかどうかという感じではありました」

ーそのような状況からプロが注目する存在となりましたが、どのタイミングでプロを意識するようになったのですか?

「2年の冬ぐらいに、スカウトの方が試合を見に来られていた時期くらいから、プロに行きたいという思いが強くなりました」

ー高校生活は菊地投手にとってどんな3年間でしたか?

「1年生の夏からベンチ入りさせていただいて試合経験を積ませてもらって、3年生から本格的にエース番号をもらうことができました。ですが、結果を残すことができなくて、悔いが残っていました。なので、部活を引退してから、プロ入りするためにさらにギアを上げて頑張って練習に打ち込んでいました」

(後編へ続く)