今季カープ打線に変化をもたらしているのがファビアンとモンテロ、2人のドミニカンだ。今回のスペシャル対談では、彼らの言葉をつなぐ今話題の通訳・フェリシアーノさんに協力してもらい、日本でのプレー、日本の文化など……改めて2人の本音と素顔に迫っていく!(全2回/第1回)
◆日本の野球はレベルが高い。学べきことがたくさんある
—ペナントリーグも前半戦を終え、後半戦に入っていますが、おふたりはここまで自身のプレーをどう感じていますか?
ファビアン「いろんな勉強や経験を日本の野球からさせてもらっています。良い時、悪い時もありますが、その中でもまずはケガをすることなくプレーできているのは良かったと思います」
モンテロ「前半戦を終えて感じたのは、日本の野球は思っていたよりも素晴らしいレベルにあったことです。ですので、慣れるまでに少し時間がかかっています。打撃においてタイミングであったり、まだまだ学ぶべきことがたくさんあると感じています」
—モンテロ選手は開幕直後に右脇腹を故障し、離脱する期間がありました。その期間はどんな気持ちで過ごしていたのですか?
モンテロ「シーズンが開幕した直後にケガをしてしまいましたが、あそこまでの故障は自分の野球人生のなかでも初めてでした。シーズンが始まったばかりでしたので、本当に悔しかったですね。来日当初から球団・チームから期待されていたことは理解していたので、すごく悲しかったですし、復帰するまでの期間のメンタルは難しい場面もありました」
—モンテロ選手が離脱してる間はどのような気持ちでしたか?
ファビアン「モンテロと一緒にプレーしているときは、お互いをカバーし合いながらプレーしているイメージで、本当に良いコンビだと思っています。もちろんチームメートにも同じ気持ちですが、言葉ですぐに気持ちを伝えられるのはモンテロですし、キャンプからオープン戦とずっと一緒だったので、彼が故障して離脱している間はすごく寂しかったです。その間は、焦らずにしっかり治して戻ってきてほしいと願っていました」
—改めて日本の投手と対戦した印象を聞かせてください。
ファビアン「日本の投手は思っていたよりもレベルが高いと感じています。球のスピードもあり、細かな制球力もあります。そのなかで結果を残すことができている要因は、まず周囲のサポートですね。そして毎日一生懸命練習をして、勉強をして、相手投手の動画を見て、スコアラーからさまざまな情報を得ることができているからこそ、良い結果を残せていると思います。100%慣れているわけではないので、もっと勉強していかなければならないと感じています」
モンテロ「ファビアンの考えと同じく、日本の投手はすごくレベルが高いと思います。コントロールが良く、投げミスが少ない印象がありますし、緩急をうまく使って攻めてくる印象が強いです。配球もすごく厳しいですし、どの投手もストレートのキレがあり、対応が難しいケースがたくさんありますね」
—カープというチーム、チームメートの印象はいかがですか?
ファビアン「私たち2人は日本人選手と同じ気持ちで戦っています。カープのチームメートはみんな優しいですし、明るいですし、特別誰と仲が良いということはありません。いつも同じ気持ちですし、みんなと仲が良いですよ」
—2人はムードメーカーとしても盛り上げているように感じます。
モンテロ「ベンチの中ではみんな、試合が終わるまで諦めない気持ちを持って戦っています。その中でモチベーションを上げるために、ベンチの中で明るくコミュニケーションをとって、時には踊ってみたり(笑)、チームを盛り上げるための行動をとっています」
—新井貴浩監督にはどんな印象を持っていますか?
ファビアン「新井監督はすごく良い性格で、選手とすごく上手にコミュニケーションをとっていると思います。だからこそ、選手は変なプレッシャーがかかることなく、自分のプレーをしっかりこなすことができていると思います。悪いときでも声を掛けてくれますし、自分にとっては最高の監督です」
モンテロ「すごくコミュニケーションをとってくれる良い監督だと思っています。試合のときは選手と同じ気持ちで戦っていて、選手がヒットを打ったとき、チームが得点したときには選手と一緒になって盛り上がってくれます。チームの調子が良くないときでも、選手に声をかけてくれて、私たち選手と同じ気持ちでいてくれて、いつもモチベーションを上げてくれる監督だと思っています」
(後編へ続く)