エイジェック硬式野球部を創部以来初となる、社会人野球の二大大会へ出場、都市対抗野球本戦初勝利に導いた難波貴司監督が、今シーズン限りでエイジェックのユニホームを脱ぐ。今夏の都市対抗北関東予選では惜しくも敗れたが、有終の美を飾るべく、9月23日に開幕する社会人野球日本選手権大会関東代表決定戦へ向かう。2年ぶり2度目の京セラドームを目指す、エイジェック硬式野球部の“いま”を難波監督に伺った。
◆「若いチーム」の課題と成長
―都市対抗予選では、第三代表決定戦で惜しくも敗れました。どのような点が課題として挙げられますか?
「選手たちの力を発揮させてあげられなかったのが一番の課題です。うちのチームは若いので、都市対抗予選という大舞台で緊張し、コンディションを整えることができませんでした。もちろん、相手があることなので簡単ではないですが、もう少し普段通りの力を出すことができていればと思います。また、今年は北関東から3チームが出られるなかで、日立製作所さん、SUBARUさん、日本製鉄鹿島さんのどこかを倒せればとやってきましたが、相手も成長しているなかで、その壁を跳ね返すことができませんでした。昨年は第一代表を勝ち取って本大会でも1勝しましたし、今年も少しずつ力がついてきているのは事実です。春先からチームの状態も良く、本大会に出られる自信はありました。でも、社会人野球はそこまで甘くなかった、というのが現実でしたね」
◆補強選手が持ち帰る“勝利へのマインド”
―2025年の都市対抗へは補強選手としてエイジェックから6人の選手が出場しました。彼らにはどんなものをチームに持ち帰ってほしいですか?
「補強されるのは、負けたチームの選手が、勝ったチーム、強いチームに行くということです。だからこそ、勝つためのマインドを持ち帰ってきてほしいですね。そんな中、髙岡(佳将=日本製鉄鹿島へ補強)は、帰ってすぐの試合で2安打。さすがの力を見せてくれました。あとは、他チームで相手方の看板と自分たちの看板を背負って戦うので、かなりのプレッシャーがかかります。人間としても選手としても大きく成長できるチャンスですから、今回の経験を活かして、6人がチームの中心となり引っ張っていってくれたらうれしいです」
◆「総合力」で挑む日本選手権
―日本選手権予選に向けて、チームの仕上がりはいかがですか?
「予選で敗退してからの2カ月、選手の主体性を養うために、監督コーチが細かく指示するのではなく、練習も試合も選手主導でやってきました。主将の京橋(幸多郎)を中心に本当によく頑張ってくれて、エイジェックらしい『総合力』で戦う野球が少しずつできてきています。京橋と片平(吉信)がケガから復帰して良いところも見せています。ほかにも今年出番が少なかった島川(叶夢)や吉田(元登)も良いアピールをしていますし、新人でも和田(泰征)や渡辺(凌矢)には力があり、昨年より打てる打線になってきました。投手陣も、河北(将太)と谷内(隆悟)がいて、ベテランの金城(乃亜)や安藤(幸太郎)も頑張ってくれています。残りのオープン戦でしっかり仕上げていきたいです。また、予選は23日から始まりますが、今年は関東勢が3チームしか選手権の出場権を持っていないので、22チームで4枠を争う厳しい戦いになります。なんとか、そして絶対に勝ちたいですね」
◆試合情報◆
第50回社会人野球日本選手権大会関東代表決定戦
エイジェック 対 日産自動車
日時:9月25日(木)10:00試合開始
場所:等々力球場(神奈川県川崎市中原区等々力1)