三拍子そろった外野手として、2019年ドラフト2位でカープに入団した宇草孔基。入団会見では「球界を代表する投手と対戦し、一つでも多く盗塁を」と足への自信も覗かせていた。プロ2年目には打率.291と結果を残したものの、故障などの影響もあり2025年シーズンは一軍出場は0。10月1日に戦力外通告を受けたと発表された。現役続行への意欲を見せる宇草の、プロ入り直後のインタビューを再編集してお届けする。
─プロを意識し始めたのは、いつ頃からでしょうか?
「高校のときに日本代表に選出されて、そこで悔しい思いをしたので、見返してやるじゃないですけど、大学1年のときから絶対プロに入るという気持ちで取り組んでいました。ただレギュラーも取れなかったですし、現実味はなかったですね」
─3年の秋から結果も出るようになりました。意識の変化もあったのではないでしょうか?
「3年の秋に結果が出てからは本気でプロを目指すと腹を括って、徹底的にやり抜きました」
─そして実際にドラフトの日を迎えることになりました。緊張しましたか?
「緊張はしませんでした。むしろ、寂しいという感情が湧いてきましたね。というのも、ドラフトを境にプロ野球を目指していた日々が一度終わるわけじゃないですか。『あ、この生活が終わってしまうんだ……』と考えたらすごく寂しくなってきましたね。本当に充実した毎日を過ごしていたので声がかかる、かからないというよりも『プロ野球を目指していた日々が終わる』ということを考えていました」
─カープというチームについて、どういうイメージを持っていましたか?
「熱いというイメージです。あとは、しっかり練習をする、足を使った攻撃をするというイメージがありました」
─プロではどんな選手を目指していますか?
「鈴木誠也選手です。カープの中心選手ですし、走攻守三拍子がそろっていて本当にスケールが大きい選手だと思います。合同自主トレのときに初めて生で見たんですけどカッコいいっす、マジで。超ワクワクしました」
─では今年の目標設定についても聞かせてもらえますか。
「ケガをしないことです。まだ実際にプロで野球をやっていないので数字のイメージは、まったくつかないです。もちろん誰しもが3割を打ちたいと思いますし、ホームランを打ちたいはずです。ですが、その3割を打つためにはケガをしないことが重要になるので、まずはそこですね。そこに集中しないと絶対に数字も付いてこないと思うので、やるべきことに集中するというのが目標です」
■うぐさ・こうき
1997年4月17日生、東京都出身
185cm・84kg/ 右投左打/外野手
常総学院高ー法政大ー広島(2019年ドラフト2位)