2シーズン前、プロ3年目の2024年は開幕前に侍JAPAN選出、初の開幕スタメンをつかみ取ったカープ・田村俊介。誰もがブレークを予感したが、開幕後は打撃不振に陥り悔しさが残るシーズンを過ごした。そして昨季2025年は4月のDeNA戦でプロ初本塁打も放ったものの、6月以降は二軍での調整が続き、一軍出場は25試合にとどまった。

 プロ5年目の今シーズンこそ熾烈な外野手争いに割って入り、定位置を奪いたい田村。ここでは、2025年シーズン序盤の独占インタビューを改めて振り返る。(※取材は2025年4月)

2025年シーズンは25試合に出場し、プロ初本塁打も放った田村(写真は2025年撮影)

目指すべき打撃は、ヒット狙いでの長打

─2025年シーズンは、3年連続で開幕一軍となりました。毎年思いは違うと思いますが、今季はどんな感覚ですか?

「昨年は開幕スタメンを経験させていただいたり、すごく気持ちが昂ぶり過ぎて結果が出なかったという反省がありました。今年はキャンプから落ち着いて自分のペースでやっていく事をテーマとしてやってきました。昨シーズンもずっと『自分は自分なりに頑張っていこう』という思いはあったのですが、やっぱりどこかで期待に応えたいとか、無意識に焦りが出た部分があったと思います。それも良い経験になって、今は落ち着きにつながっていると思います」

─2024年シーズンは一軍で37試合を経験しましたが、改めて、どんなシーズンでしたか?

「全く自分が思った通りにならなかった1年だったなと思います。その中で、今までに経験できなかったことを1年間通じてやれたことが、今の引き出しになっているなと感じることがあります」

─その中で、さまざまな面で試行錯誤されたのでしょうか?

「打撃面でいうと、左ピッチャーに対しての打席の入り方であったりとか、準備の仕方であったりとか、自分がおかしいなと思った時に、バットを短く持ってやってみたり、ノンステップで打ってみたり……自分なりにいろんなことを取り組んできて、そういうことが今になってやってきて良かったなと、そう思いながらやれています。一軍での実戦では、打撃面でいろいろとやろうとし過ぎることが多くて、自分のなかの考えがまとまりきっていませんでした。二軍に行って自分なりに考えを整理していたら実戦で結果が出るようになりましたし、その後一軍に上がってからも結果が出たので、これが一番自分に合っているんだと感じることができました」

─田村選手は外野手ですが、競争相手が多いポジションです。

「チームとしての競争意識は強くなっていると思います。個人的には競争と思いすぎると、やはり焦りも出てくるので。昨年まではその焦りがあって……『ヒットを打てていない。どうしよう』『二軍に落ちてしまう』だとか、メンタル的な焦りがあったので、ダメだったなと思っています。守備や走塁は自分が一番下手だと思っていますし、もっともっと練習をしないといけないと思います。打撃では自分しか持っていないところもあると思うので、とにかく打撃を積極的にアピールしていけば、自ずと良い結果につながっていくと思ってやっていきたいです」

─田村選手自身が考える自分の強みは何だと言えますか?

「左打者で長打を打てることです。ここが一番自分で求めているところです。打率は最低限2割5分は打ちたいという気持ちがあります。打率が上がっていけば、長打率も自然と上がっていくと思っていますし、出塁率なども含めて、率を求めてやっていきたいと思っています」

─打率を求めながら、長打も狙っていくということですね。

「ホームランだけを狙っている打席は全くないので、ヒットを打ちに行った中で、良いところに当たって長打になるのが自分の理想です。まずは率を求めてやっていく中で、自分の持ち味のパワーが重なって長打になれば良いなと思っています」

─現時点で、どのような打者を目指していきたいと考えていますか?

「ルーキーの頃からそんなに変わっていないですが、やはり勝負強いバッターになりたいと思いますし、チャンスで1本出せる選手です。『こいつが打席に立ったら安心だな』と思ってもらえるような打者を目指したいです」

■田村俊介(たむら・しゅんすけ)
2003年8月25日生・21歳(プロ4年目)/京都府出身
左投左打/178cm・97kg/愛工大名電高−広島(2021年ドラフト4位)