新監督のもと、好スタートを切ったサンフレッチェ広島。公式戦はここまで5試合負けなし、明治安田J1百年構想リーグでは首位をキープしている(2月24日時点)。ここではクラブOB・吉田安孝氏が、昨シーズンからの変化を独自の目線で分析する。(全3回/第3回)
◆新指揮官の采配を支えるのは、個々の選手のレベルの高さ
ガウル監督は、ピッチ上での方向性をある程度、選手・スタッフに任せているという印象を受けます。今季初の中国ダービーとなった岡山戦(Eピース、◯1−1(PK5−4))では、PKの順番を青山敏弘コーチに任せたという話もありました。
肝の部分は指揮官が決断し責任を取る一方で、選手、コーチを信頼して任せる部分は任せている。任されることで、選手だけではなくコーチたちも意気に感じる。それらの信頼関係が相乗効果を生んでいく。この『それぞれ役割や仕事を信頼して任せる』という手法は、日本代表の森保一監督に通ずる部分もあると思います。
38歳という若い監督ですが、ドイツ、ポーランドではユース年代を指導されていたと聞きますから、まさに、サンフレッチェというクラブにぴったりの人選と言えるでしょう。
また采配に関しても、『何を仕掛けてくるかわからない』という面白さのある監督でもあります。試合中でも展開に合わせてワントップからツートップに変更する、後半からフォーメーションを変えていくなど、広島のサッカーの新しい一面を見せてくれる監督なのではないでしょうか。
ただ、そうした采配がうまく機能するのは、やはり個々の選手のレベルの高さによるものでしょう。高いレベルを持つ選手たちだからこそ、監督も信用してピッチに送り出すことができているのだと思います。
「昨シーズンと何かが違うぞ」ということが一目でわかる、そんな試合が続いていることで、「ここから先、どうなっていくのだろう」とワクワクさせてくれています。
今日の試合は、次の試合はどんなメンバーだろう。どんなフォーメーションなんだろうと予想する楽しみも味わいながら、まずは明治安田J1百年構想リーグの優勝をつかみにいってくれることを期待したいと思います。
【吉田安孝(よしだ・やすたか)】
1966年11月22日生、広島県出身
現役時代はサンフレッチェ広島のDFとしてプレー。引退後は、サッカーコメンテーターとして多方面で活躍中。


