5月6日の神戸戦でPK負けを喫し、3月以来の3連敗と勝点3が遠いサンフレッチェ広島。明治安田J1百年構想リーグWESTグループで現在6位につけている広島だが、3試合を残して首位まで勝点差8と、まだ優勝の可能性を残している。
WESTグループで首位を走っていた神戸(5月5日時点)を迎え撃っての一戦は、前半に加藤陸次樹が先制点をあげるなど、シュート数は神戸の9本に対し広島は20本と大差をつけ、試合を優位に進めた。
しかし、後半に追いつかれると試合はPKに突入。キッカー全員が成功させた神戸に対し、広島はGK・権田修一の好セーブの前に無念のPK負けを喫した。
敗戦という結果には終わったものの、選手たちは首位・神戸相手に確かな手応えもつかんでいた。先制ゴールを決めた加藤は試合後、自分たちのパフォーマンスに一定の手応えを感じながらも、課題として最後の精度を挙げた。
「今日は試合を通して、サンフレッチェらしいアグレッシブなサッカーができたと思う。内容としては、理想に近い試合だったんじゃないかなと思います。今日の試合も、チャンスはたくさんつくり出すことができた。ただ、そのチャンスに対してゴール数があまりにも少ない。ディフェンス陣が頑張ってくれている分、僕たち前線の選手がもっと点を取って楽をさせてあげなければいけない」
悔しい敗戦となった神戸戦は、昨季まで広島を率いたミヒャエル スキッベ監督、そして自身が背番号『11』を受け継いだ満田誠とのマッチアップでもあった。広島ユースからのトップチーム昇格が叶わず、一度は他クラブで「打倒広島」を掲げてプレーした加藤だけに、移籍組への思いも強い。
「僕自身は、いまこのチームにいる選手を信頼していますし、出て行った選手を『見返してやりたい』という思いもある。『やっぱりサンフレッチェが一番だぞ』というところを見せたかったので、結果でも、もっと圧倒的な差を見せたかった。『やっぱりサンフレッチェは良いな』と思わせたかったですね」
古巣への思い、かつての仲間への対抗心、そして現在のチームへの強い信頼。加藤の言葉からは、悔しさのなかにも広島への強い愛着と覚悟がにじんでいた。
チームは勝点を21とし、現在WESTリーグ6位。8位までが優勝の可能性を残す大混戦のなか、アウェイで連敗を止め、再浮上のきっかけをつかみたい。敗戦の悔しさを抱えながらも、加藤の視線はすでに次節へ向いている。
「(次節も)やることは正直、変わらない。チーム全員がネガティブにならず、良いサッカーを見せることができれば必ず結果は出ると信じてやっています。次の試合に向けて良い準備をして、その成果を見せることができれば良いと思います」
内容面では確かな手応えを得た神戸戦。その90分を“価値ある敗戦”で終わらせないためにも、加藤ら攻撃陣には次節・G大阪戦でさらなる結果が求められる。

