2013年にカープに入団してスタートした鈴木誠也のプロ野球人生。1年目にプロ初ヒットを記録して以来、プロ14年目にして日米通算1500安打を達成した。
ルーキーイヤーから一軍デビューを飾るなど、端から見れば順調な1年目を送ったかに見えたカープ時代の鈴木。現状に満足しないストイックな姿勢、他を圧倒する意識の高さが、数年後に彼を唯一無二の存在へと押し上げた。当時19歳、プロ1年目を終えた直後のインタビューでは、改めて感じたプロの壁について語っていた。
◆「高校生の自分は未熟だった」。最初の壁にぶつかった1年目
鈴木誠也のプロ1年目は、高卒新人野手としては順調そのものだった。春季キャンプで1日限定とはいえ一軍帯同を勝ち取り、シーズン終盤には11試合ながら一軍公式戦にも出場。同期入団選手より一足先に、初年度から貴重な経験を積み重ねていた。しかし、本人の中に残ったものは充実感ではなく、どちらかと言えば挫折感にも似た苦い気持ちだったという。
「今まで勉強もほとんどせず、ただ野球にだけ打ち込んできたので、野球だけはしっかりやらないといけないという思いでやってきました。でも、プロに入ってみて自分が考えているよりもすごい世界だったというか、高校生のときはまだ未熟で『プロに入ってもどうせ打てるんだろうな』っていう気持ちでいたんです。それが3月にシーズン入って『早く一軍に上がらなきゃ』って焦ってもいたし、本物のプロ野球選手が本気を出して、二軍といえどもすごい選手たちが多かったので……。それで最初の壁にぶつかって。打てないし結果も出ないし、考えてはイライラしてという悪循環だったんです」
結果を求めるあまり、打席内で気持ちは逸るばかりだった。「打ちたい」という気持ちが力みを生み、自分のスイングができなくなるという悪循環。そんなとき折れそうな心をつなぎ止めたのが、欠かさず続けた日々の猛練習からくる自信だった。

