今なおカープファンの記憶に刻まれる、黒田博樹さんの現役時代。数々の実績を残した黒田さんだが、2005年は選手会長に就任し、エースとしてだけでなく、チームをまとめる立場としても新たな役割を担ったシーズンだった。

 2005年シーズン開幕を目前に控えていた当時、黒田さんはカープについて、そして選手会長としてどんな思いを抱いていたのか。ここでは、『広島アスリートマガジン』2005年3月号に掲載したインタビューを再編集。当時語られた「ファンサービス改革」への思いや、チームに懸ける言葉を改めて紹介する。

2005年から選手会長に就任した、当時30歳の黒田博樹

選手会の立場もプロ野球自体も、これまでと比較にならないほど重要になっている

 (2005年に選手会長に就任)僕自身は「投手の場合は選手会の役職を受け持つには登板日や調整などいろいろあって難しい面があるので、会長は野手がやるのだろう」と思っていました。しかし蓋を開けてみると、全会一致で僕ということで驚きました。2004年シーズンからの『球界再編問題』などで、選手会の立場もプロ野球自体も1年前とは比べ物にならないほど重要になってきた時期ですし、プロ野球に携わる者全体が危機感を持たないといけない時代になってきたのです。

 12月の会長就任から開幕までの間に、3回ほど、ファンサービスについて球団側と話し合いを持ちました。今までは選手会と球団との間にこのような話し合いが持たれていなかった事もあり、選手としては比較的簡単に協力できる部分でも、球団側は選手に負担がかかると遠慮していた部分が多くあったようです。話し合いをもって初めて、お互いの間に今まで遠慮し合っていた部分がなくなってきたように思えました。

 3回行った話し合いの中で、具体的なファンサービス案の大枠については決定しました。選手会側から球団に提案させてもらった中から『ヒーローと撮影会』、『グラウンドで試合前練習の見学』、『ホームランガールに連れられた小さい子どもが本塁打を放った選手にスラィリー人形を渡す』、『選手の使用済バットやグラブのプレゼント』の4つで、抽選方法など細かいことは日南キャンプ中にもう一度話し合うことになっています。

 また他に要望したのが、試合における球場内での演出です。プロ野球である以上エンターテインメントですし、ファンに対して感動を与えたり魅了したりというのが必要だと思います。最も大事なのは僕たち選手がグラウンドでしっかり結果を出すことですが、プラスアルファで演出という部分もしっかりしてもらえればいいですね。

 チームはもちろん僕自身も、一年一年どこかで進歩し、進化していかないといけません。こういう世界は落ちていくのは早いですからね。一年一年、緊張感を持ってやっていきたいなと思います。

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