サンフレッチェ広島の右サイドにおいて、攻守両面で存在感を高めている中野就斗。2026/27明治安田J1リーグ開幕から7試合を終え、攻撃では自ら起点となり、守備では誰よりも走り、戦う姿を見せ続けている。
シュート、クロス、チャンスクリエイト、タックル等、さまざまな数字がその成長を物語る一方で、自身の評価は「60、70点くらい」。目指すのは右サイドで「圧倒的な存在」になることだ。新たなシステムへの手応え、今季こだわるプレー、そしてチームとして狙うタイトル。日本代表初選出を果たした男が、さらなる高みを見据える思いを語った独占インタビュー・後編をお送りする。
◆相手を圧倒するために何が必要なのか
ー2026/27シーズンの開幕となった8月8日の千葉戦ではチーム初ゴールを決めました。
「チャンスがあれば狙っていましたし、自分の中でも取れそうな雰囲気はありました。でも、それでゴール、ゴールとなっても、それは自分の良さではないと思うので。もちろんそういう気持ちも自分の良さだと思いますが、開幕戦のような大事な試合は、まず守備で失点しないことが大事です。なので、そんなにゴール、ゴールにならず冷静に試合に入りました。守備としても抑えられましたし、早い時間にああやって点を取ることで、チームも有利に進められたと思うので、良いゴールだったなと思いました」
ー現在リーグ戦ではシュート数やクロス数、チャンスクリエイトなど、攻撃面の数字はチーム上位です。攻撃に対する意識に変化はありますか?
「百年構想リーグから、自分の試合を見返して、『攻撃の部分で何ができるのか』ということを考えていました。今までは、バックパスで塩谷(司)選手に頼っていたり、ボランチに預けて自分がより活きるようなサッカーをやっていました。ですが、映像を見て、自分が起点となり、他の選手が活きるようなパスを出していけば、もっとチームとしてもチャンスが広がり、ゴールにつながると思いました。それをキャンプで自分なりにトライし、もちろんミスもありますが、どんどんチャレンジしていこうという中で、攻撃のバリエーションが増えてきたのかなと思っています」
ー守備ではタックル総数、走行距離、スプリント回数等でも高い数字が出ています。
「プロ1年目から、当時のヘッドコーチの迫井(深也)さんに『お前の存在意義は守備』ということを常に言われていました。自分も元は守備の選手ですし、攻撃よりもまず守備で圧倒的な存在にならないといけないと言われていましたし、自分もそうならないといけないと思っていました。そこは常に、相手を圧倒するために何が必要なのかということを考えながら、今もできているのかなと思っています」
ーここまでの自身のプレーを点数で評価すると?
「まだまだですね。60、70点くらいですかね。満足する点数ならたぶんもう代表にも選ばれていますし、世界でも活躍できる選手になっていると思うので。そういう意味で考えると、まだまだ半分。もっともっと自分には可能性を感じているので、もっと成長できると思っています」
ーキャンプから取り組んでいる可変システムについて、どのように捉えていますか?
「相手ありきのサッカーなので、どうこうとはあまり言えないのですが、システムを変更することで相手もやりにくさはあると思います」
ー実際に試合の中でも手応えを感じていますか?
「そうですね。ガンバ大阪戦でも4バックにして、より攻撃に厚みを持たせて、押し込めている部分もありました。そういう意味では、自分たちにとってもプラスなオプションになっているのかなと思っています。まだまだ細かい立ち位置や、守備面での改善点はもっとあると思いますが、攻撃に関しては厚みをかけられますし、押し込める展開も増えています。あとはそこで結果を残すことができれば、もっと自分たち自身にもつながるのかなと思います」
ー話題は変わりますが、今年は久しぶりに黒髪に戻していますね。
「自分が飽きたというのもありますし、金髪のメンテナンスが結構大変じゃないですか(笑)。僕は髪が伸びるのも早いので、すぐ根元が黒くなって、その先が金!みたいになるので、それがちょっと嫌だなと思ったのもありますが……心機一転、もう一度初心の気持ちに戻ってやろうかなと。金髪が悪いわけじゃないですけど、一旦黒にしました。ちなみに親には最初、テレビで見ていると『黒髪だとどこにいるか分からない』って言われましたね(笑)」
ー今シーズン、個人としてどのようなプレーを見せていきたいですか?
「個人としてずっと目標にしているのは、右サイドで圧倒的な存在になることです。攻撃ではゴール、アシストという目に見える数字にこだわっていかないといけないと思いますし、守備の部分でも、人より多く走って、戦って、ハードワークすることがチームのプラスになると思います。そういうところに、より自分に目を向けてやっていければ良いなと思っています」
ー具体的なゴール数やアシスト数の目標はありますか?
「数字はあまり立てたくないです。目の前の試合を全力でプレーしたいので。例えば5ゴール、5アシスト取れたからといって満足するわけでもないですし、取れることに越したことはないので。常に高くは見つつ、でも自分がやるべきことをしっかりやって、圧倒できれば良いなと思っています」
ーチームとしてはタイトル獲得が期待されます。
「そうですね。ここ数年、惜しいシーズンが続くなか、素晴らしい選手がそろっていても勝ちきれない試合がたくさんあったと感じています。同点で終わってしまう試合だったり、『ここを決めていれば勝点を積み上げられた』という試合がたくさんありました。勝負強いチームになれれば、必ずタイトルを獲れると思うので、そういう際の部分までチームとしてこだわっていくことが、優勝につながるのかなと思っています」
ー最後に、ファン・サポーターのみなさんに向けて『ここを見てほしい』というアピールポイントをお願いします。
「右サイドを制圧する姿を、ぜひ見てください!」
■中野就斗(なかの・しゅうと)
2000年6月17日生、東京都出身
ポジション:DF
桐生第一高ー桐蔭横浜大ー広島(2022~)
◆今西和男著
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