2016年、25年ぶりのリーグ優勝を果たしたカープ。その強さを支えた要素の一つが、選手一人ひとりが役割を果たし、つなぐ意識を持って戦った打線だった。
当時、打撃コーチを務めていた石井琢朗氏(現・巨人巡回打撃コーチ)は、選手たちとどのように向き合い、何を伝えていたのか。今回は、石井氏が当時のインタビューで語っていた打撃への考え方や、選手の意識に対する思いを振り返る。25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年、石井氏の言葉から当時のカープをひもとく。
(『広島アスリートマガジン』2016年10月号掲載記事を再編集)
◆「とにかく意識から入っていこう」
— 昨シーズン(2015年シーズン)オフに一軍打撃コーチに就任された訳ですが、どのような思いで打撃コーチに臨まれたのでしょうか。
「守備を担当していたときも感じていたのですが、守備と攻撃というのは表裏一体だと思っています。攻撃のときは守備のことを考える、守備のときは攻撃側のことと守備体系などを考えながら守るということを考えていました。得点力不足だとしても、打つだけじゃないと僕は考えていますし、攻撃というのは守りからのリズムでつくるものだったりもします。あまりに打つということだけに固執した考えではなく、もう少し全体的に視野を広げるべきだと考えていました。それらが頭にあったなかで今季から肩書が打撃コーチになりましたが、見方としては守備側からの目線での攻撃です。どういう攻撃なら得点が上がっていくかと考えていました」
— 秋季キャンプから打撃コーチとしての指導がスタートしました。どのような部分から取りかかろうと考えていたのですか?
「打撃だけは教えられないと今でも思っているんですが、打撃って形がないんです。打撃論はそれぞれあると思うんですが、人それぞれ違いがあるので打撃だけは教えるのは難しいと感じています。僕自身がある程度自分の感覚でやってきたというのがあるので。技術どうこうではなく、とにかく意識から入っていこう、『意識を変えよう』と思って指導に入りました」
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