9月6日から27日まで、約1カ月間の一軍帯同を経験した右の大砲候補・正隨優弥が二軍で再び鍛錬を積んでいる。

 “待望の一発”が飛び出したのは、9月18日のヤクルト戦(神宮球場)だった。7点の大差をつけられた中で7回に田中広輔の代打として登場。ヤクルト中沢の前に追い込まれたものの、低めの直球をバックスクリーン右に放り込んだ。

約1カ月の一軍帯同を経て、現在は二軍で自身の課題と向き合う正隨優弥選手。

「なかなか安打が出なかった中での本塁打ということもありましたし、やっぱり自分のようなタイプは大きいのを打たないといけないので、その点は純粋にうれしかったです」

 9月8日の一軍初打席から3打席連続無安打。初の一軍昇格ということもあり、自身の中には当然焦る気持ちもあったはずだ。しかし、追い込まれようとも“本塁打”を狙い続けた長距離砲としてのプライドが、スタンド中段への豪快な一発を生み出した。

「自分自身、足があるタイプじゃないし単打で出ても次の塁に自分で進めるわけではありません。二塁打以上を狙って、やっぱり本塁打を打てるようになっていきたいです。そこが自分のアピールポイントだという気持ちは常に持っています」 

 待望の“プロ第1号”を放ったことは、間違いなく一軍首脳陣へのアピールとなった。しかし初の一軍帯同期間は自身の課題も新たに痛感させられる時間でもあった。

「一軍クラスの投手は球も強いですし、変化球のキレも違いました。打席でどうしても自分が迷って中途半端なスイングになってしまう場面はありました。狙い球を絞った上で、狙いと違う球がきても、しっかり自分のスイングをすることが大事だと思いました」 

 停滞するチームに新風を吹き込んだ背番号49は、課題を克服し再び一軍の舞台で豪快な一髪を放つはずだ。