オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

 

◆大切なのは「疲労回復」と「課題克服」へのアプローチ

 野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月19日に開幕した今年のプロ野球。カープは11月11日に2020年シーズンの全日程を終えました。まずは、選手のみなさん、1年間お疲れ様でした。誰も経験したことがないシーズン、例年以上にコンディション調整が難しかったのではないかと思います。まずはしっかり疲れをとって来年に向けてスタートを切ってもらいたいと思います。

 今回は、シーズンが終わったタイミング(厳密に言うと日本シリーズはこれからですが)ということで、「プロ野球選手のオフの過ごし方」について、トレーナー目線で紹介していきます。

 まず前提としてプロ野球選手のオフは12月と翌年の1月。例年であれば、11月に秋季キャンプと球団行事があり、それが終わってからがオフとなります。そして、この2ヶ月は契約上、チームの拘束がないため、選手は自分で何をするかを考えて動いていかないといけません。

 オフにやらないといけないことは、大きく分けて2つあります。まずは「疲労回復」。もう一つは「課題克服」です。これは一軍の選手でも二軍の選手でも同じです。

 シーズンの疲労がとれていないにもかかわらず、激しい練習を重ねると、故障の危険性が高まります。そして、オフに自分に足りないものを明確にして、その課題を克服しておかないと、特に若い選手は春季キャンプでアピールができません。

 今年は開幕が遅れた影響で、秋季キャンプは行われません。もちろん練習量が減るデメリットはありますが、見方を変えると、早めに疲れをとり、課題克服へとシフトすることができます。そういう意味では、使い方によってはメリットの多いオフになる可能性もあると思っています。