◆今年、初めてのオフを迎える森下暢仁選手

 振り返ると、今年のカープはケガ人に悩まされるシーズンとなりました。開幕が遅れたことで6連戦が続く厳しいスケジュールを戦わないといけない影響もあったのではないかと思います。地方球団のカープは移動による疲れもあるのでなおさら大変です。

 特に、大瀬良大地投手や野村祐輔投手など、投手陣のケガによる離脱が続きました。投手は球数を投げれば投げるほど、肩と肘の可動域がどんどん狭くなっていきます。そのため、シーズン中から柔軟のトレーニングをしっかりと取り入れることが大切です。

 ただ、その柔軟のトレーニングが十分にできていない選手が多いように感じています。そのため、ケガには至っていないけれど、肩と肘の可動域が固まってしまう選手が多く、そして、可動域を回復させないまま投げてしまうと、どんどん動きが悪くなってしまいます。

 そのため、投手は肩と肘の可動域をオフシーズンにできるかぎりリカバリーする必要があります。そういう意味では、カープのドラ1右腕・森下暢仁投手がどういったオフを過ごすのか気になっています。

 

 森下投手はプロ1年目から18試合に先発登板し、チーム2位の投球イニング122.2回を投げました。もちろん投球回も多いですが、僕が懸念しているのは球数の多さです。ほぼ毎登板、100球を超えていたと思います(個人的には球数に関してはもう少し配慮があっても良かったんじゃないかと思っています)。かつプロ野球選手としては1年目なので、相当な疲労がたまっていると予想されます。

 シーズンの疲れが抜けずに2年目を迎え、思うような結果を残せない選手をたくさん見てきているので、森下投手は、まずは疲労回復にしっかりと時間をかけてほしいと思っています。

 先ほど少し紹介しましたが、ここ数年、僕のジムでは、リカバリーのために「サウナ」も積極的に活用しています。疲労をとるうえでサウナにはたくさんのメリットがあります。次回は「スポーツ選手とサウナの関係」について紹介していきたいと思います。

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高島誠(たかしま・まこと)
広島県東広島市の西条町にある、野球専門のトレーニングジム「Mac's Trainer Room」の代表。オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナー経験があり、現在も数多くのプロ野球選手とトレーナー契約を結んでいる。趣味はパルクールとサウナで、サウナ・スパスペシャリストの資格も持つ。野球トレーニングのオンラインサロンの運営、【英語】x【身体作り】x【野球】がテーマの中学硬式野球チーム「東広島ポニー」に携わるなど、様々な分野で活躍。「Mac's Trainer Room」のYouTubeチャンネルでは、野球トレーニングに関する動画を公開中。
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