◆不運なケガにより悔しい離脱
―― 7月以降はショートに定着し、スタメンが続きました。優勝争いのなかで試合に出続けるというのはどのような心境でしたか?
「試合に出続けてヒットも出ていましたが、必死でした。一年目にも関わらず、いい経験をさせてもらっていると感じていました。優勝は逃しましたが、最後まで2位を争う戦いを経験できましたし、今まで味わったことのない緊張感を味わいました」
―― 8月8日の阪神戦での守備中、9月19日の試合前練習中と二度打球を顔面に受ける不運がありました。
「まさか顔面に二度も打球を受けるとは思いませんでした。合計20針縫いましたからね(苦笑)。強い痛みでしたが、もともとケガには強いタイプですし、何も異常がなかっただけで良かったと思っています」
―― 特に9月の負傷はスタメンを手中としていた状況での離脱となりました。
「とにかく悔しかったですね。シーズンも佳境でしたし、順位が決まる大事な時期だったので、最後まで出たい気持ちが強かったです。プラスに捉えれば、いい休養にはなったかなと思います」
―― 9月29日に戦列に復帰されましたが、打撃の調子を落としていた印象がありました。
「やはりプロは甘くないことを痛感しました。自分としては特に自覚はなかったんですが、休養中に微妙な感覚のズレが出てきたのかもしれません。自分のなかで良いと思ったタイミングでバットを振っても、調子が良かったときの感覚とのズレがありました」
―― そんな状況でCSを迎えましたが、スタメン出場とはなりませんでした。
「スタメンで出る機会があったら頑張ろうと思っていましたが、シーズン最後の調子が悪かったので仕方ないですね」
―― 第2戦の延長12回、代打でヒットを放ちましたが、田中選手の意地を感じました。
「あの場面は2アウトでしたし、絶対に負けたくないという気持ちが強かったですね。阪神ファンの『あと一人コール』のなかで、絶対に打ってやろうという気持ちでした。やっぱり追い込まれた場面では燃えますね。燃えていないと気持ち的に負けてしまいますから」
―― 来季はレギュラーを奪うための大事なシーズンとなります。
「試合に出るからにはショートで出たいですね。今季、多く試合に出てたくさん経験できたことを噛み締めながら、開幕からレギュラーを掴みたいです。もちろんライバルも多いですが、あまり気にせず、「自分のレベルアップのためには何をしたらいいか?」ということを考えながらやっていきたいと思います」